著書・学術論文 子どもと咲く花 せんせいのすてき

強者 ・・・年少児

2017年12月10日

 

お母さんのお財布をテレビの後ろに隠し、

お母さんを警察にまで行かせ、カードまで止めさせたYちゃんは、

幼稚園で一番豪傑であり、強者の女子である。(たぶん)

その屈託のない笑顔に、お母さんは笑ってしまったかもしんない。

が、これは想像である。

豪傑で強者だからと言って、お友だちに当たりが強いかと言えば、

全然そうではない。

至極、穏やかに過ごしている子である。

 

だが、魂が太いのである。

2歳のころ、私が遊びに行くと、

不審者として私を同定した目は、実に鋭かった。

そして、お友だちが攻撃されると代わりに、

男の子の顔面にグーパンチをしていた。

 

そのYちゃんが、緑の金柑を取りまくり、

そばのよくわからない(私がしたことだが)水たまりに、

全部沈めて遊んでいた。

 

Yちゃんの強者ぶりは、保育者の注意について、

全く意に介さないというところでも発揮される。

お片付けのときも、「私は関係ない」と心底思っているが、

やばいなと思うとやっている。

ちなみに、私は常に彼女の笑顔に見惚れてきた。

彼女の笑顔を見ると、それだけで幸せな気分になれる。

きっと、彼女は社長になるであろう。

 

というわけで、いけないことと分かりきって、

緑の金柑を取りまくったYちゃん他、3,4人であるが、

誰に対して謝らせるか、というところで、

非常にまよった。

 

黄色くなるまで待っている子どもたちと言っても、

なんとなく、年少でクラスの前に立たせるのも酷な気がするし、

どこかでは、笑って済ませることな気もする。

先生に謝らせるのも、なんとなくなんで?という気もするし、

園の管理者である園長というのも、いまいちピンと来ない。

 

というわけで、一生懸命、実をならかしている金柑の木に謝らせることにした。

年少であるから、いけるだろう。

「実」は、赤ちゃんと一緒である。

一生懸命育てて、その実を分けてくれている、木に、謝りなさい。

 

えー、とまなこを開いて、ほんまですか、

という顔をしていたが。

 

私が木のそばに立ち、

「まみこ先生は、木とおはなしできるからな。」

 

というと、

 

首謀者3人は、とても神妙な面持ちになり、

「ごめんなさい」と謝ったのであった。

 

私が、木の代弁をするように、

「大事にしてください、だって。」

というと、笑ったので、代弁しなきゃよかったと思った。

 

子どものすてき。