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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2016年8月20日
カエルと子ども(子どもの試行錯誤) ・・・年少児

 

どこからか、

「カエルはお水が好き~。」

という女の子の声が聞こえる。

なんだろう。

 

しばらく後で、

小さな器に水を入れて、

葉っぱを一枚入れ、

その中のカエルを見ているSちゃんとTちゃんに出会った。

なるほど、Tちゃんだったのか、さっきのは。

 

と、カエルが飛び出す。

「きゃぁー。」

と反応するふたり。

いそいで、Sちゃんが捕獲。

また、器に入れる。

が、また、ジャンピングして逃走するカエル。

 

きゃぁ。

 

今度はTちゃんが、

カエルを入れてきたビニール袋越しに、

つかもうとする。

直接触らんでいいね、それなら。

 

が、カエルの予測不可能な動きに、

びびりまくる。

 「どうしたらいい?」

と、傍らで見ている私に尋ねる。

 「うーん。

 Sちゃんみたいなのでいいんじゃない?」

 

と、Sちゃんがビニール越しに捕獲。

で、また、逃走。

当たり前ですね。この器じゃ。

 

Tちゃんが捕獲を試みるも、カエルが仰向けになり、

「ひっ。」

というTちゃん。

 それで、Sちゃんが器に戻すと、

Tちゃんが、ビニールをふたにしてかぶせ、逃げないようにする。

そして、「カエルには毒があるの~。」と繰り返していう。

 

カエルを園に連れてきたTちゃんの現時点の知識は、

・カエルはお水が好き。

・カエルには毒がある。

というものである。

連れてきながら、お母さんにお話ししてもらったのだろう。

この知識が動きの源になっている点は注目に値する。

 

私は、このとき保育者目線で、飼育ケースに入れればいいよね、

などと思っているが、

どこまで保育者が手を出すのか、

という思考にここのところふけっていたので、

そのまま見守ることにする。

 

そこへ、べつのSちゃんが、ソロソロとお水を運んできた。

Sちゃんも仲間だったんだ。

「カエルは、お水が好き」の実践である。

 

ところで、ずっとビニールを被せていては、カエルを見ることができないので、

Tちゃんが、ビニールを外してカエルを見る。

すかさず、カエルは逃走する。

ご苦労だのう。

捕獲され、戻される。

このときSちゃんは、ビニール越しに捕まえる。

Tちゃんが、「カエルには、毒があるの~。」と繰り返していることに、

反応しているのだろう。

 

さて、Tちゃんは、Sちゃんが水を運んできた容器をフタ代わりにはめてみた。

ちょっと、不具合を感じたらしく、

外して、またビニールに代えた。

 

でも、観るためにまた外す。

カエル、もちろん逃走。

すると今度は、その容器を逃走中のカエルにかぶせた。

そして、容器ごと引きずるように移動させる。

なるほど。

それなら、触らんでいいし、逃げないね。

が、元の器に移すことはできないので、結局比較的平気なSちゃんが戻す。

すると、Tちゃんは、ビニールをかぶせた上に、その容器をフタにした。

これで、ビニールを持ち続けなくて済む。

 

子どもって、実に試行錯誤するよね。

子どものすてき。

 

 

<事例考察>

 

カエルを捕まえてきたTちゃんの知識は二つ。

きっと、お母さんにお話ししてもらったことだろう。

カエルはお水が好きで、カエルには毒がある。

というわけで、器にはお水と葉っぱがいれてあり、

別のSちゃんは、さらなるお水を運んできていた。

そして、Tちゃんは、カエルを捕まえるとき、直接触らないようにビニールを使う。

それは、毒があるからである。

つまり、この出来事において、知識は動きを生む源になっている、

これは、注目に値することである。知識は、生きて働くのだ。

 

さて、私は、保育者目線で、飼うなら飼育ケースで、

もっといい環境を、逃げんし、などと思いながら、

この様子を見ている。

 

そこでわかったことは、

カエルは実にごくろうさまであるが、

「カエルが逃げる。」

という事態は、実に必要ということであった。

子ども目線で言えば、飼育ケースに入れるよりも、直に見ることができるし、

「身近」度合いが高くなるので、この方が一緒に過ごしてる感は強い。

保育目線で出来事を解釈すれば、「逃げるー捕まえる」は、

子どもの心が非常にドラマチックに動く。

そして、そのことが、Tちゃんのすばらしい試行錯誤を生んでいる。

逃げないようにするための工夫、触らないで捕獲するための工夫である。

 というわけで、結論的には、私は手を出さないで正解であったろう。

 

あぁ。

アマガエルよ。

本当にごくろうさま。

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