今年の2歳児は、とてもしっかりしている。
初日のお昼の風景は、一瞬学年が違うのではないかと思うほどのもので、
むしろ、年少さん大丈夫か、と思った次第であったが、
それは、単純に「緊張」というものがなせる業であった。
2日目、3日目となるにしたがって、
溜まった緊張は沸点に達し、門をがちゃがちゃと揺らして、怒って泣く。
とても自然な姿である。
幼稚園は、まず最初に、
門で閉ざし、塀で囲う場所なのだという事を、
新入児たちは、いつも教えてくれる。
それを、安心の場所に変えていくことが我々の仕事である。
というわけで、門を揺らして怒る、Kちゃん。
Kちゃんの身長からいえば、
門は、さぞかし、そびえたっていることだろう。。
「お父さん、探しに行く?」
と声をかけると、「うん」とうなづく。
ちなみに、前の日、泣いて怒るKちゃんに、
「お父さんに、会いたいね。」
と声をかけると、
「言わんとって!」と両手をふって拒否された。
なぐさめもいらん、
私に構うのな!
と、断固たる決意を表明する姿は、
実に男前であった。
ちなみに、顔はお人形さんのようだが、
その声は実にハスキーで、なんともいえん可愛さがある。
さてしかし、旅に出ようと、一緒に門を出ると、
即座に、「抱っこ。」と両手を挙げたKちゃん。
外が自分の知らない世界だとわかっている、かしこい子である。
そうして、あっち、こっちと指さす方に歩いて行った。
歩くたびに、お父さんもお母さんもいないことがわかってくる。
車通りの多い、交差点に来て、
「ここから先は、まみこ先生、行けないなぁ。」
と、抱っこしてすみっこに座る。
・・・・。
「幼稚園で、お父さん、待ってよっか。」
と言うと、「うん。」とうなづく。
それからは、気持ちを切り替えて遊んだ。
次の日も、ぎゃん泣きであったが、
外に出る必要はなかった。
そして、好きになった先生のそばにいて、
そばにいなくなると怒り狂って泣くので、
「先生、いっぱいいて、わかんないね。」というと、
「うん。」とうなづく。
「M先生と、M先生と、M先生、3人覚えとったらいいわ。」
というと、妙に納得してうなづいていた。
(ちなみにそれは、私ではない。)
Kちゃん。
小さな身体で、精いっぱい生きている。
子どものすてき。