森の研修で、山梨に行った時のこと。森で遊ぶ子どもたちと並行して、大人用のプログラムもあって、子どもが「ほっ」と休むところのブランコづくりをしました。
そこで事件ひとつ。木に立てていた梯子が横に倒れて、あるお父さんの肩にガーンッ。
!!!
私は頭に見えたから、ほんとうに焦りました。
その緊張感が冷めやらぬころ・・・。
また、梯子の移動をすることになりました。
今度は、究極に気をつけなきゃ!というモードの中で、
一人の男の子がさっとそこを横切ろうとしたのです!
みんなが心で「きゃー、」とか「ぎゃー、」とか叫んで、
必死でとめようとします。
でも男の子は、わからないから、とにかく進もうとするのです。
そこで・・・。「仕方あるまい」と園長モードに突入したドウモトくんは、
(私だって、影薄くおとなしくしている時はあるのですよ)
ガッとその子をしゃがんで抱き留め、
「あれ見て」とはしごを指さしました。
ぎょっと、一呑み。
下から見上げる梯子は、そびえたって、重そうに見えます。
「あれがね、落ちてきたら大変なの。」というと、
「だって、だって、
言いたかったんだもん。
コーヒー入ったよって・・・。」
うーむ。
私の心はとたんにバラ色に。
そうか、そうだったか。
「じゃあ、はしごが終わったら、言いに行く?」
と尋ねると「こくり」とうなづいたので、
二人でじっと梯子の移動を見てました。
それから、律儀に「コーヒー入ったよ」って、
みんなに言いに行きました。
わりにみんな作業に必死だったので、一人以外それほど伝わらなかったけど・・・、
私の心には、
だって、
だって、
という彼の言葉が、温かく、残りました。