園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2013.12.10

だって、言いたかったんだもん

 

 森の研修で、山梨に行った時のこと。森で遊ぶ子どもたちと並行して、大人用のプログラムもあって、子どもが「ほっ」と休むところのブランコづくりをしました。

 

そこで事件ひとつ。木に立てていた梯子が横に倒れて、あるお父さんの肩にガーンッ。

!!!

私は頭に見えたから、ほんとうに焦りました。

 

その緊張感が冷めやらぬころ・・・。

また、梯子の移動をすることになりました。

今度は、究極に気をつけなきゃ!というモードの中で、

一人の男の子がさっとそこを横切ろうとしたのです!

 

みんなが心で「きゃー、」とか「ぎゃー、」とか叫んで、

必死でとめようとします。

でも男の子は、わからないから、とにかく進もうとするのです。

 

そこで・・・。「仕方あるまい」と園長モードに突入したドウモトくんは、

(私だって、影薄くおとなしくしている時はあるのですよ)

ガッとその子をしゃがんで抱き留め、

「あれ見て」とはしごを指さしました。

 

ぎょっと、一呑み。

 

下から見上げる梯子は、そびえたって、重そうに見えます。

「あれがね、落ちてきたら大変なの。」というと、

 

「だって、だって、

 言いたかったんだもん。

 コーヒー入ったよって・・・。」

 

うーむ。

私の心はとたんにバラ色に。

 

そうか、そうだったか。

 

「じゃあ、はしごが終わったら、言いに行く?」

と尋ねると「こくり」とうなづいたので、

二人でじっと梯子の移動を見てました。

 

それから、律儀に「コーヒー入ったよ」って、

みんなに言いに行きました。

わりにみんな作業に必死だったので、一人以外それほど伝わらなかったけど・・・、

私の心には、

 

だって、

だって、

 

という彼の言葉が、温かく、残りました。