園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2018.07.20

つながるよろこび ・・・年少児

 

Gくんは、ちょっと私たちとはちがう世界を生きている。

そんなGくんが、「Gくん、こんにちは。」というと、

「こんにちは。」と返してくれるようになった。

うれしくて、つい、会うたびに繰り返す。

 

そんな今日この頃、目を見張る光景を見た。

それは、Rちゃんが、魚をはさみで切っている様子を、

隣に座って、じーっと観察している姿だった。

その視線は、あきらかにRちゃんの手の動きにロックオンされていて、

その過程を見ていた。

そして、Rちゃんが私の視線に気づき、

「あ、まみこ先生。」というと、それに合わせて、こっちを向いた。

 

奇跡。

 

思えば、そんな兆しはいろいろあったわけだが、

いやはや、すごいじゃないか。

 

起こっていることに興味を持つことはあっても、

人の動作に興味をもつとか、その過程を眺めるとか、

人と対象を共有するとか、そういうことは、苦手な傾向を持つ彼が!

フンガー。

というほど、私の心は興奮した。

 

そこで、魚を担任からもらい、

「Gくんも、これやる?」と尋ねると、

瞳孔が開いた。

「はさみ、持っておいで。」というと、

すぐに向かう。

 

そして、一緒に切る。

一生懸命だ。あれこれあれこれ、私が持ち方を教えると、

その言葉を繰り返しながら、彼も工夫する。

私は何度も手を切られそうな気がして、

「おいっしょ~。」とよけながら、紙を支える。

 

できた。

 

「色塗るか。

 クレパス持っておいで。」

というと、すぐに自分のものをとってくる。

 

まず、目を描かせたいと思った。

「目~、描いて。

 目。

 目~。」

と、彼の顔をのぞきこんで目を強調する。

 

すると、彼は青のクレパスを取って、

「目~。」

と言いながら、目を描いた。

それは、なんというか、丸のような線のようなものであった。

 

それから、「うろこー。」というと、

「うろこ。」と繰り返して、塗り始めた。

しっぽから、いろんな色を変えて、ぎざぎざと塗る。

それは、正面のRちゃんの塗り方と同じ、

虹のようなグラデーションをもつ塗り方だった。

 

できたー!!と共に喜び、

後ろに名前を書く。

二人の先生に「見せに行って、」というと、嬉しそうに見せに行った。

二つ目やるかなと思いながら、誘うとすぐに乗ってきた。

さっきよりも、意識してはさみを開いた。

そのとき、口も一緒に開いていた。

ははは。

そして、今度の目は、もっと意識して丸く描けた。

それから、ウロコを塗っていると、

先生から片付けの声がかかった。

 

すると。

彼の塗る速度が速くなった。

 

あぁ。

なんて、幸せなんだろう。

彼が、私たちに開かれてきた。

彼の世界が、私たちの世界とつながってきた。

 

奇跡を見るような幸せ。

 

子どものすてき。