次の日、りす組さんが5人ほど連れだって、
「まみこせんせい~!」
と職員室に来た。
ずらっと並んで私を見る。
「どうしました?」
と身をかがめると、Kくんが言った。
「落とし穴に、落とすが。」
そのまんまやん!
それ言うたら、いかんろう!
ちなみに、りす組で流行のこの遊び。
「おいしいごちそうが、できたから、来て。」
と言って、目をつぶらされ、
手を引かれて砂場まで行って、落ちるというものである。
子どもたちは、「大成功!」と喜ぶ。
是非、生活発表会につなげたいネタである。
だが、しかし。
今、全部ばれてしまった。
そこで苦し紛れのフォローをする、園長ドウモトマミコ。
「あら。
なんか、この間はおいしいごちそうがあるって聞いたけど・・・。」
担任を始め、軽くパニックになっていたこの集団は、
「あぁ、そうそう。」
と気を取り直し、私を引っ張っていったが、
なんか、最初のノリが外れると、
全体的に、なんとなく外れた。
次は、心機一転、穴を使い古さないで、
最初からやんなきゃだめかな。
「そのまんま」の破壊力。
子どものすてき。