私は、Gくんが大好きである。
それも、相当好きでたまらない。
その理由をあれこれと考えてみる。
入園したての頃、彼は、なみだ、なみだの男であった。
何かに誘っても、とてもかわいい声で、
「やめちょく。」
といった。
そんな彼も、幼稚園になれてくるに従って本領を発揮し、
絶妙なイジクソぶりを見せ始めた。
相手が取ろうとした矢先に横取りする。
相手が、乗ろうとしたその瞬間にぶんどる。
など、その絶妙さには天賦の才を感じるほどである。
と同時に、彼は、独特の柔らかさを持っていて、
合いの手を打ったり、並んでリズムにノッたりして、
相手の動きに添い、共にノレル男でもある。
一生、友だちには困らんだろう。
私は、イジクソでありながら、
「人と共に在ること」を、
感覚的に、理屈抜きにできてしまう彼に、
大変な魅力を感じているのだと思う。
そんな彼が、まだ2歳でありながら、
朝お母さんと別れて、寂しくてたまらない気持ちを抑え、
無理にテンションをあげて、
自分で気分を盛り上げようとする様を見た。
それは、誰の視線も意識していなかった。
イジクソでありながら、人に添う彼の、
たまらない孤独の頑張りを見て、
「人」の奥深さを知る思いだった。
私は、Gくんが大好きである。
Gくんのすてき。