園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2019.08.30

寝ない宣言 ・・・年中児

 

Hくん。寝てくれない、Hくん。

 

寝る前に、必ず「H、寂しくなった。」

「お父さん、お母さんに会いたい。」

「お父さんと、お母さんと赤ちゃん大丈夫かな。」

「H、お母さんに会いたい。」

という。

 

寝るという忘我の時間帯を前に、子どもは不安になったり、

寂しくなったりする。

 

というわけで、寝ない。

 

一日目は、私にしがみついて寝る直前まで行ったが、

ずわっと覚醒する。

抵抗せんとって!素直に寝て!と思う私。

だが、私の足を抱き枕にして寝ようとしている彼を見ると、

私を肝試しの材料に使っていた、

つまり、化け物か何かと思っていた彼が、

こんなふうに、私を安心の材料に使っていることに、

改めて、付き合いも3年か、と思ったりする。

 

それでもって、次の日は、おんぶ戦法に切り替えたが、

これまた、ウトウトから、首を振って覚醒する。

だから、寝ていいんですよ、そのまま。

最後には、お互いが暑くなって限界となり、

彼は、いそいそと雨の中、傘をさして虫取りに行ってしまった。

 

帰ってきた担当のA先生に、

「Hくんて、寝る?」と聞くと、

「寝ます。」という。

「なに。

 そりゃ、ぜひ頼むわ。」

と言って、代わっていただく。

 

すると、A先生は、彼を横たわらせ、

頭を撫でて、肩に触りながら、

顔を近づけて何かをささやいている。

すると、Hくんは、「うん。」とうなづいて。

目をつぶって横になっているはないか。

 

なんと!

 

どんなマジックか!

 

というわけで、彼が順調に寝入ったあと、

A先生に、なんて言ったか聞いてみる。

すると、

「寝んでいいきね。

 でも、身体は休めんといかんきね。

 疲れたろ。って言いました。」

 

疲れたろ・・・。

 

このねぎらいの言葉。

彼は、イチコロだったであろう。

「うん。僕疲れたが。」

といって寝たそうである。

 

さびしい心に染み入る言葉。

納得。

 

というわけだが、H氏は、その日の帰り際に、

「H、明日も寝んきね。」

と私に宣言して、帰ったのであった。

 

だから、「アイミマジックに任せます」と答えた。

 

子どものすてき。