さて、盗賊の回では、ばら組さんが、つき組さんを驚かせる、
という計画が立てられた。
前回、保育者が仕込んでおいた洞窟のお宝に、
目がくらんだ子どもたちだったが、今回はどうであろうか。
「いたずら」は、冬の森の醍醐味である。
みんなで息をひそめて、タイミングよく驚かす、
というのは、幼児にとっては至難の業。
これまでどれほど、失敗してきたか。
年中児には、年長児がお手本を見せようじゃないか、
ということになったのである。
盗賊がおるかもしれん、とビビるつき組。
待ち構えるばら組。
ちょいと練習してみる。
その驚かせる「わぁぁ」という声がでかすぎて、
「しっ!つき組さんにばれる!」
と焦るも、次の練習でも、また声がでかすぎるばら組。
焦って、Kくんが思いついたのが、「たすけて~。」
と、続いて叫んでみること。
そこで、全員で、口々に「たすけて~。」と叫ぶ。
なんと名案。
そのころ、つき組では、
その「わぁぁ。」という声が、
盗賊にやられている声に聞こえていた!
森の葉っぱが吸音して、くぐもったのか?
2回聞こえた後、さらに、「たすけて~。」と来たもんだから、
真剣にビビる・・・。
そして、とうとうつき組が間近かに!
理事長先生の素知らぬ風の合図のもと、
一気に飛び出したばら組に、心底驚いたつき組であった。
大成功!
子どものすてき。