とにかく、泣き声がうるさく、さらに長く、
聞いているこっちの沸点が上がる。
という、あるお母さんの話を聞いた。
それを想像するに、非常に分かる気がしたので、
Sちゃんと話し合うことにした。
ちなみに、幼稚園では全くといって言っていいほど、
そんなことはない。
むしろ大人である。
そんなSちゃんを職員室に呼び、
「Sちゃん、お家で泣く?」
と尋ねる。
「うん。」とうなづくSちゃん。
「長いろ、それで。」
「うん。」
「それがさ~、ほんまにうるさいんやってよ。
お母さんもお父さんも。
だから、怒りたくないのに、怒ってしまうんやって。
Sちゃんのこと大好きなのに、
それで怒ってしまうから、どうしようって、
お母さん困ってたわ。」
と話すも、本人なんとなく、「そうなんす。泣いちゃうんす。」
という感じで、
「もう年長さんなんやから、
泣かないで、言葉でちゃんと言ったらどう?」
とか、
「泣くのは一人でトイレでも行って泣いて、
それから、出ていってお話ししたらどう?」
という私の提案にも、「ふんふん」と聞いており、
「じゃあ、自分の部屋とかで?」
と、「それはいいかも」という表情で聞いてくれもしたが、
なんとなく、「こりゃ無理かな。」と思って、
話を終わったことであった。
この会話の報告をお母さんにせないかんな、
と思い続けていたある日、
園庭にSちゃんがいて、
「どうよ、Sちゃん。」と近況を聞くと、
「泣いたら怒られるってわかったき、
泣いてない。
だから怒られてない。」
と言った。
!
うそ。
まさしく、お母さんに「ちょいと、無理かも。」
と報告しようと思っていた矢先に、
こんな展開が!
朗報とはこのことか。
それで、お母さんと話していると、
Sちゃんが泣かなくなった要因には他にいろいろありそうだったが、
ともかく、年長って、自覚して切り替えができる年なんだなと
改めて思った。
子どものすてき。