園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2020.03.30

すてきな子 ・・・年中児

 

年中さんでお昼ご飯を食べたときのこと。

もう、年中の3学期ですけんど、動き回るH氏。

その横に張り付く。

隙あらば逃げだそうと、キラキラとした目をするH氏。

そうは行くか。

 

それで、半分くらい食べたところで、

明らかに集中力が切れて満腹感が出ている。

だが、まだご飯がこんもり残っている。

「これ、全部無理やろ。」

というと、どこからか、

H氏が入れてと言ったんだという情報が入る。

 

「なに!

自分で、入れてって言ったの?」

と私が驚いていうと、

H氏が笑顔でうなづく。

「はぁ?」

すると、担任が、

「Hくんが、いっぱい入れてって言ったので。」

という。

私は、言われたからってそのまま入れんなや、

という表情を浮かべ、そうも言い、

H氏に険しい顔で、

「これ、自分で入れてって言うたんか。」

と、もう一度尋ねる。

H氏がうなづく。

 

「あ~あ。

これ、食べれんのかなぁ。

半分か?

お米って、誰が作ってるんだっけ?」

 

隣の子が、「給食の先生。」と答える。

「うん、それもそうやけど、

(ここで、お百姓さんとか、農家の人、とか言っても分からん気がしたので、

それくらい、そんな方々が遠くなっている今、)

そういえば、年長さんが作ってたなぁ、お米。

一年くらい、かかってるわ。

お世話してなぁ。」

 

と、ご飯を半分に分けながらいうと、

H氏は、ストンと、「これは自分が食べるべきご飯」と、

思ったらしかった。

それで、黙々と、私の手を借りながら、

食べ始めた。

残り3口のときは、本当に満腹で、

もう入らんというような表情があったにも拘わらず、

彼はそれを全部食べた。

 

あぁ、すばらしい子や。

と思った。

自分のしたことに、後始末をつけようするこの姿は、

彼の凜々しい未来を想像させた。

 

「いうことをきかんといえばH氏、

しかしどうにも可愛いすぎるH氏」のなかにある、

誠実さと責任感というすばらしい資質を見つけ、

なんか、無性に嬉しくなった。

 

それにしても、

「どうやろうね。

私、ずっとあなたのそばに、いますけんど。

まみこ先生は、他の子どものところに行けんのか。

他の子のお世話もしたいけど。

なんで、ずっとここにおらないかんのやろうね。」

 

というと、

「ぼくが、どっか行くき。」

 

と言っていた。

 

わかってんじゃないか。

じゃあ、座って食べなさい。

 

子どものすてき。