園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2020.07.10

ちゃんとしてる ・・・年長児

 

Rくんは、気持ちの切り替えが難しい。

したがって、その日は別の用事を済ませて幼稚園に来たので、

幼稚園に来たくなかった。

 

ようやく門に入るも、やっぱり嫌です、

という気持ちで、門についている鎖を外し始めた。

 

私は、じっとその様子を職員室前のさん板から眺める。

彼は、何度も私の方を伺いながら、外そうとしている。

そして、「まみこ、あけるよ」

と言い始めた。

私は、聞こえないふりをして、微動だにせず、彼の方を見る。

彼は、何度かそう叫び、そして、一度鎖を元に戻した。

 

お。

と私は思った。

 

開けないんだな。

 

それから、彼は門の前に立ち、

それからまた、鎖を外そうとし始めた。

 

ん。

 

なんとなく、「やってやるぞ。」という雰囲気も見える。

手続きは、3段階。門の裏側についている鍵を外せるかどうか。

もし、全てできて、外に出たとして、

私がここからダッシュしてどれくらいで追いつけるだろうかと、

計算する。

 

だが、彼は、さらに大声で、

「まみこ、あけるよ。」と叫び始めた。

 

ちゃんとした子やなぁ、と思う。

 

彼は、さらに何度もそう叫ぶ。

私は、まったく反応せずに彼を見ている。

 

すると彼は、聞こえないと思ったのか、

鎖を元に戻し、

私のところに歩いてきて、

「まみこ、門あけるよ。」と言った。

 

「開けて、どうすんの。」

「外に出る。」

「外に出て、どうすんの。」

「自転車を見に行く。」

「自転車!

何、自転車みたいのか。」

「うん。」

「じゃあ、まみこ先生が、ここに持ってきてあげるわ。」

 

何しろ、彼は今自転車が大好きなんである。

だが、彼はなぜかここで、外に出ることをやめて、

今ブームの鍵がほしいと言い始めた。

 

日頃、お家を飛び出しちゃったりして、

心配かける彼なんだけど、

本当は、ちゃんとしてるんやなぁ、

と至極感動した。

 

ここって時に、ちゃんと超えない。

それはダメだなって、思える。

心配だらけなんだけど、

心配ないね。

 

こういうのは、ご家庭の力。

お母さん、頑張ってくれてるもんね。

 

子どものすてき。