園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2020.07.10

人を選ぶ ・・・年長児

 

そして、今度は荷物をするしないで、

私とすったもんだをし始めた。

それで、私は譲歩することにし、

鍵を渡したら、荷物をするか、というと、

「する」と答えたので、

多少、これでよかったかどうか微妙にも思いながら、

鍵を渡した。

 

そして彼はしぶしぶ、荷物を持って二階に上がる。

ところが、自分のクラスを素通りして、

自分のロッカーは、隣の資料室にあるという。

どうも、ごちゃごちゃしたところには、

入りたくないのであろう、と推測された。

 

彼は、色々とごまかして荷物をやろうとしない。

また、すったもんだして、

約束が違う、といって鍵を取り上げた。

彼は、そのまま下に降りていき、

また、職員室に入った。

 

そこで私は、職員室のベンチに座って、

彼が思いついた言葉に応えていく。

それで、給食は、職員室で食べる、と言い始めた。

あぁ、やっぱりごちゃごちゃしたところは、

今日は、嫌なんだなと思う。

 

そこへ、担任の先生がやってきて、

お誕生日のワッペンをつけてくれた。

それで、担任の先生に「今日は、職員室で食べます。」といい、

そうすることになった。

それから、担任の先生とお話をし、

担任の先生が「じゃあ、Rくん、先生お部屋に帰るね。」

というと、「ダメーッ」と言った。

その声には、逼迫したものがあった。

 

ふふ。

A先生がいいんだな。

そりゃ、そうであろう。

私とは、さっきからすったもんだ続きである。

 

私が、「いかんいかん。」という。

A先生が、優しく、また「お部屋に帰るね」という。

「だめーっ」真剣に阻止しようとする。

 

「いかんいかん。

ほんなら、Rくんがあやめに行きなさい。」

と、私が強い口調で言うと、

彼は、A先生について行った。

そして、給食もお部屋で食べた。

 

はははは。

 

静かな環境で、バトル相手のまみこと食べることよりも、

柔らかく、優しい担任の先生のそばを選んだわけである。

 

なんか、すごく嬉しくなったね。

 

なにやら、今日の彼は、お弁当用のシートを持ってきていて、

そのシートを引いて食べたかったらしく、そこで先生と食べた。

それから彼は、お片付けもちゃんとして、

鍵を取りに来た。

 

ちなみに、この鍵は、彼のためだけに買った南京錠である。

彼は、これをとても気に入っている。

けれども、ちゃんと節度を持って、使っている。

お片付けの前に返しなさい、というと、

ちゃんと自分から返しにくる。

今日、約束をやぶったから取られた鍵を、

泣きそうにはなったが、ヤケをいうこともなく、

ちゃんと給食のお片付けを自分でしてから取りに来た。

 

いい子だね、Rくん。

ちゃんとしてるね。

 

子どものすてき。