園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2020.08.10

心を強く ・・・年少児

 

Gくんは、とてもお利口さんである。

だが、口と手が出る。

 

とうとう、園長先生に怒られる人になってしまった。

前回、「そんな口はいらん!」と怒られていたが、

今回は、「もう、動物園に行きなさい!」と言われた。

 

よくよく話を聞くと、戦いごっこで、親友のYくんに勝てないので、

究極の武器を使ったというわけである。

Gくんが押しても、Yくんは、びくともしない、

なのに、Gくんは、Yくんに押されると、よろけてしまう・・・。

 

つまり、それは、

あなたが弱いってことなんですよ。

受け止めなさい、それを。

 

そこで、彼に聞いてみた。

「Gくんは、好きな虫おるの?」

「テントウムシは、好き。」

「ほう。背中の星、数えたことある?」

「ううん。」

「背中に星が7つあったらナナホシテントウ。

それ以外は・・・。」

てなところで、あまり聞いてないので、

「そいじゃ、テントウムシとダンゴムシは、

大丈夫なんやな。」

「うん。」

「セミは、どうなん?」

「こわい。」

「ふうん。見たことある?」

「こわい。」

「こわいは、わかったから、

見たことあんの?」

「・・・・。」

「見たことないんか。

今度、見てこごらん。

おもしろいから。」

「こわい。」

「あなたね、こわいって言って、

見もせんで、わかろうともせんかったら、

いつまでもこわいままですよ。

そしたら、いつまでも噛むの、やめれんわ。」

 

さて、次の日。

 

防災機器の点検があって、非常ベルを鳴らすことになり、

今回は、火事ではないですから、

非常ベルが鳴っても、やり過ごして下さいね、

という放送をした。

そのとき、お知らせの「ピンポンパンポーン」を鳴らした。

それを聞いた途端、Gくんは即座に園庭に出ていた。

これは、ある意味大変、正しい行動である。

 

だが、園庭はシーンとしている。

自分一人。

というわけで、自分だけ間違いをしたとわかったGくんは、

 

「心が強くならんといかん。」

 

とつぶやいて、保育室に戻っていったそうである。

3歳やけど、すごいなぁ。

 

そして次の日、Gくんは、セミについて観察をしていた。

お、見ているじゃないか。

 

そしてまた次の日、Gくんは、セミを持っていた。

だがそれは、死骸であった。

 

子どものすてき。