新入、第一日目。
さびしくて、「うえ~ん」と泣き続けるTくん。最初は、「びゃーん!!わぁ~っ!」だったけど、ちょっと落ち着いて。だけどまた泣いての繰り返し。かわいそうに。
でも、泣き止んだ時の突進力は頼もしく、「なんだあれは!」と思えば、わき目も振らずに向かいます。その足取りの確かさに、「あ~、この子は大丈夫ね、」と思う私。
そして、おかえりの時間。「泣き」のバイオリズムも到来して、
「ママ行く~。ママ行く~。」と目に涙をいっぱいためて泣くTくん。
「そうね、そうね、帰ろうね。」
「ママ行く~。ママ行く~。」
「うんうん、帰ろう~。
これおカバンね。
ほら、帰るから、おカバン持って、帰ろう。」と声をかけ、
泣きながら、ジャンバーを着て、私が「あついんじゃない?」と訊いても、
断固として、着るというTくん。そうですか。
「じゃあ、おカバンどうぞ。」
「・・・。重い。」
「なにっ!?重い!?
何言ってんの、たっちゃん、持ちましょうよ~。」
ちょっと、薄ら笑いのTくん。
しかし、心は、泣きモード。
「わかったわかった。じゃあ、とりあえずここに置いておきましょう。」
「ママ行く~。ママ行く~。」
「よしよし、ママ行こうね~。」
ところが!!
なんと、彼は、はと組だった!!(預かり保育)
どうしよう~。困った。真剣に困った。
「ママ行こうね~」って行けないじゃないか。
「ママ行く~。ママ行く~。」と泣き続けるTくん。
「そうか~、そうね~。(ママ行こうねと言えなくなった。)
とりあえず、下行こうか。」と時間稼ぎをする私。
彼になんて言って、納得してもらおう・・・。そういえば、なんとなくカバンが重かった。
で、閃いたのが「お弁当」。
「たっちゃん。おかあさん、お弁当作ってくれた?」
「うん。」
「そう。いいね~。たっちゃんのお弁当。
おむすび入ってる?」
「うん。」
「ソーセージも入ってる?」
「うん。」
「たまごやきも、入ってる?」
「うん。」
「そうか~、いいね~。たっちゃんのお弁当。
たっちゃん、お弁当食べようか。」
「うん。」
(よしっ。)
「ママ行く~。ママ行く~。」
「うんうん、たっちゃん。
お弁当食べに行こう。」
「うん。お弁当いく。
ママのお弁当たべる。」
よかった。心底ほっとしました。
お腹がすいていた、にしてもこの納得の仕方・・・。
おかあさん、きっとお弁当のことTくんにお話ししてくれたんですね。
もしかしたら、作りながら、お話ししてくれたのかも。
このあと、Tくんはコテンとお昼寝したそうです。
おかあさんのお弁当。うれしいうれしい、おかあさんのお弁当です。