12月22日は、第20回を記念する「すくすくファミリーコンサート」でした。
年長さんは、400人あまりの観客の前で、本当のステージで、歌をうたいます。
私はずっと思っていました。
そうね、15年も前から、
子どもたち、ちょっと音をハズシすぎじゃないか?
歌じゃない声が、出すぎじゃないか?
子どもはもっと、歌が上手だよと。
だから、今年は特に担任の先生へ、何とかしてくださいねと、お願いしてました。
音をよくきいて、メロディを大切にして歌うこと。
このことを、一学期から、ずっと大切にしてきました。
そして、とてもきれいな歌声が出るようになりました。
でも・・・。歌っている様子を見ていると、
ん?
ただ歌ってるのね。
あ、あくびした。
あ、あっち向いている。
心が、ここにいない。
他のこと、考えてる。
そこで、年長さんに問いかけました。
あなたたちは、なぜ、歌うんですか?
返ってきた答えは、案の定「すくすくファミリーコンサートで歌うから」。
「すくすくファミリーコンサートで歌うからですか?」
と繰り返すと、「うん」とうなづく子どもたち。
そこで、「それでは、だめですよ。」とお話ししました。
ものすごく要約すると、みんなの歌は、大人を幸せにしてくれること、
みんなが「いつのまにか大きくなった、一日一日強くなった」って歌ってること、
大人にとって、こんなに嬉しいことはないのよ、
それに、空にらくがきって、してみたいでしょう、生きてるってすてきでしょう、
とか、なんとか、云々かんぬん・・・。
でも、みんなは例えば「こころ」って言葉を、「こ」と「こ」と「ろ」とでしか歌ってない、
「こころ」って聞こえない、せんせいは、みんなの歌が大好きだから、
だれ一人欠けることなく、一つになって、歌をうたってほしいな、
とか、なんとか、云々かんぬん・・・。
それから、小原大先生と相談して、言葉が流れるように出せるために、
低すぎたキーを一音あげることにしました。
ここらへんは、教材の大切さですね。
そうして、ますますステキになっていく、子どもたちの歌なのですが、
本番一週間前のステージでのリハーサル、すっかり緊張の子ども達で、歌いながら疲れてる。
はははは。
子どもって、ほんとうに、心と身体が未分化で、全力投球なんだなぁと実感しました。
で、終業式でみんなの前で歌った時も、疲れてる。
ははは。
そこで、子どもたちに言いました。
緊張の玉は、お腹の下に入れて、
疲れるのは、3曲終わってからにしてください。
終わったら、いくら疲れてもいいから、3曲歌い終わるまで、疲れない。
よろしくお願いしますっ。
すると、
「はいっ。」
と気合いの入った年長さんでした。
が、当日朝のリハーサル。
舞い上がった心が、肩から上のところで声を出させ、歌が浮いている。
これでは、また疲れてしまうし、落ち着けない。
そこで、大きく深呼吸。
ふ~。
ストンと、緊張の玉をお腹の下に。
すってー、
はいてー、
ストン、とお腹に。
そして、2曲目。
お、いいね。
一つになってる、まとまってる。
だけど、歌詞が・・・。
出て来てない。
この不安は、前からあった。
たしかに、迷う歌詞で、作詞家よ、なんでこんな並びにしてくれたか・・・、
なんて筋違いのことも言いたくなる。
で、小原先生に、さっと相談して、
もう無理かも・・・、だけど、最後に歌詞の確認を、
と急いで担任にお願いして、
担任は間違えて、3曲目の歌詞を確認してて、
そうじゃない、最初の2曲!ってつっこんで、
あと5分・・・。
担任の先生は、死にそうになりました。
保育の現場は一分一秒の世界なのです!