園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2020.10.20

「ごめんね」の勇気② ・・・年長児

 

そして、お帰り前に、また彼を呼ぶ。

すると、彼は、めっちゃ嫌そうな顔をした。

むしろ、むかついていた。

いつもは、やり過ごしてきたことが、

そうはいかんのである。

 

「何を怒ってんの?

言うたやろう。待ちますと。

それは、このままで終わらんということや。

悪いことして謝まれんのは誰や!」

 

と撃が飛ぶ。

 

「おれ。」

 

と彼はちゃんと言った。

 

いい子やなぁ。

 

「自分だって、言いたいんやろ。

謝りに行くか?」と尋ねると、

「うん。」とうなづいた。

この問いかけに頷いたのは、初めてである。

「よっしゃ。」と二人で、A先生に言いに行ったが、

言えんだろうな、と思っていた。

そして、案の定言えなかった。

 

彼は、「ごめんねが言えない人」という自己暗示にかかったようなものである。

それを突破することは、本当に大変なことであり、

人生を変えるほどの大仕事である。

ここには、ご家庭の力が要る。

そこで、お母さんにお電話をして、

これまでの経緯をお話しして、

彼を励ましてもらうようにお願いする。

共通の課題を持っているだけに、話はスムーズで、

力強いご協力を得ることができた。

お母さんとお話しして、約束して、月曜日を迎える。

 

だが、私が休みを取っていて、

舞台が整えられなかったこともあったろう。

彼は言えなかった。