年長さんは、描画で好きな虫と苦手な虫を選んだ。
苦手とするものを、よく見てみようとする姿勢は、
生きる力として大切なものと思える。
線に動きが出る箸ペンと墨で下絵を描く。
うーむ。
君ら、天才やね。
ところが、色を塗る段になって、
一色塗りつぶしという事件が起こった。
うーむ。
そこで、点々塗りを推奨する。
だが、問題はそこではない。
問題は、色が見えているかどうかなのである。
彼らが描くバッタやカナヘビ、ムカデやカマキリたちのなかに、
いろんな色を見出すことができれば、
それを表現したくなる。
細かく見えた物を細かく表現したければ、
自然と点々塗りは必要感と共に、技法として採用される。
そこが、足りないんじゃないか。
というわけで、
虫も少なくなりそうなこの時期に、
森で片っ端から虫を捕まえて、観察した。
そこには、本当にいろんな色が見つかった。
先生がみんなが言った色と持ってきた画用紙を合わせてみせる。
全然違う!
というわけで、
子どもたちは、パレットの上で自分の色を作り、
自分の絵を細かい技法で、色づけしていった。
うーむ。
天才や。
子どものすてき。