Sくんが、積み木で何かを作り始める。
かなりかっこいい形のものだ。
飛行機かな。
この日は、園内研修で、私はお部屋の様子を立ってじっと見ている。
彼は、あらかた形を作り終えると、
製作コーナーにある紙片に目を留めた。
そして、「これで、電池がなくても困らないように。」
と言って、それを作った乗り物に貼り付け、
おもむろに私を見る。
自分の思いつきを、共有したい心持である。
そして、意外にも私と目が合ったSくんは、
嬉しそうに「にこっ」と笑った。
かわいいなぁ。
それから、彼は、次々と別のところにも貼り始めた。
私はその時、別の方向を見ていたが、
ふと、彼が、その紙を貼っては、
私を見ていることに気付いた。
2回ほど、目が合わなかったのかもしれない。
そこで、今度は、彼の動きを眺め、
ここぞ、というところで、目を合わせた。
すると、彼の顔にお花が咲いた。
かわいいなぁ。
子どものすてき。