ほし組から、Hくんが私を呼びに来る。
さっきほし組を後にしたばかり。
「まみこ先生、お客さんになって。
誰も来ないから。
お客さんになって。」
と言う。
そうであろう。
また、孤高の遊びをしておるな。
そこで、「わかった。」と買いに行く。
するとお店では、
「子ども」と「せんせい」に区分されて、
折り紙が箱に入れられており、
箱には、「1000円」と貼り紙がしてあった。
「何売ってるの?」
「折り紙。」
「子どもとせんせいに分けてある。
せんせい、こっち。1000円。
子どももだけど。」
「ふ~ん。
じゃあ、みどり下さい。」
と言って、受け取る。
「けど、何、これ。
折り紙一枚1000円って。
高すぎるわ。
5円ならわかるよ。(いや、わからんけど)
作ったものならわかるで。
作ったものなら。
折り紙1枚、1000円て。
そんなん、ないわ。」
と抗議する。
すると、彼は少し考えた様子を示し、
「パクパク作る。」
と言った。
「そうそう。
それなら買うわ。」
と、友だちのKくんがやってくる。
「じゃあ、僕が~するよ」と、とても好意的に提案すると、
「やめて!ここはHのだから。Hが一人でするの!」
と猛然と拒否する。
「ケチやな~。
手伝ってくれる人がおらんと、
売り上げは、上がりませんよ。
一緒にやった方が、絶対店は繁盛すると思うな~。
ほら、それやって、待たせるやろ。
お客さん来たら、間に合わんやん。
ね~。」
と、そんな態度ありえんわ~、という体で、Kくんと目を合わせる。
彼は、「・・・・。」と止まり、
それから、すごい集中力でパクパクを作り始めた。
売るように置いていた折り紙を、全部、作るつもりであるらしい。
そして、ちょっと友だちが寄ってきたことには、
受け入れ気味であった。
一人だと、思い通りにできるけど、
誰かと喜びを共有できないからつまらないし、
かといって、誰かと遊ぶと思い通りできなくてけんかになるし。
難しいもんですなぁ。
子どものすてき。