大分前に、「ごめんね」が言えない克服事件をお伝えしたが、
その後もここに記しておこう。
あれから、数日後のことである。
彼は、同級生にまだ謝らなければならないことがあった。
そこで、朝、職員室に呼ぶ。
その話をすると、明らかに、
「はぁ。もう、えいやん。
ずっと前やん。Rくんだって、もう今更やん。」
という顔をしていた。
それはそうかもしれんが、そうはいかん。
だが確かに、Rくんは、そういうタイプである。
そこで、パタッと静止し始めた彼に向かって、
「呼んできて、謝れんとなったら、
Rくんの遊ぶ時間が無駄になるから、
謝れるようになってから、呼ぶ。
謝れるようになったら言いなさいよ。」
と伝える。
しばらく、動きを止めていたが、
「謝れるか?」
と尋ねると、「うん。」とうなづく。
お。
というわけで、Rくんを呼びに行った。
すると、案の定、
「はぁぁ?
もう、えいけど~。」
という。
「まぁ、そう言わんと。
彼は謝れる子にならないかんから、付き合ってや。」
と、どうでもよさそうなRくんを、職員室に連れて行く。
「はい、どうぞ。」
「ごめんね。」
「いいよ。
っていうか、ここに呼ばれたのが嫌やったわ。」
と言われた。
子どもも、すでに中高生の雰囲気を持つわけである。
その後・・・。
ある日、彼は、先生にふざけて泥をかけたのだが、
その量が多すぎて、べったり汚してしまった。
「先生、今のは嫌やった。」
と彼に伝える。
すると、彼は、電光石火の早口で「ごめんね。」
と言った。
それを先生は、とっても嬉しそうに報告してくれた。
そして、お家でも、超早口で謝れるようになったと報告を受けた。
そういえば、Rくんへの「ごめんね」もめっちゃ早口で、
さらに、顔は、斜めであった。
そういうわけで、彼は、多少斜め角度から、
「ごめんね。」を超早口で言える子になった。
子どものすてき。