若草幼稚園は、運動コントロール能力の敏感期である幼児期に、
多様な動きの経験を積むため、
忍者試験と言うものを行っている。
それで、年長は主に大半が上級なのであるが、
時々、中級を取り組んでいる子もいる。
ある上級忍者の表彰式で、中級忍者のSくんと目が合った。
カードをみると、あと、5個。
よしっ、やるぞ!
というわけで、その日、3個クリアした。
それで、残っているのがブランコの立ちこぎであった。
よしっ。
と朝、ブランコを取り付け、乗って見なさいという。
ふにゃふにゃ、ふらふらで、「こわい~」という。
「ほんなら、とりあえず、そこに20秒立っちょき。」という。
すると、なんとなく安定してくる。
だが、ひざを曲げるとか、こぐ、とかが、
ばらばらすぎて、全然リズムがつかめない。
すると、一緒に様子を見ていた、Aくんが、
「僕がやってみちゃおうか~。」という。
「おぉ、是非、やってみてくれたまえ。」
と乗ってもらう。
ん?
あなた、できますの?
ふらふらやん。
そのまま、ぶらぶら、ふらふらと態勢を崩し続けるAくんに、
「いかん。これは参考にならん。」
と、降りてもらう。
すると、隣にいたSちゃんが、
「私、出来るで~。」
というので、「そうでしょう、そうでしょう。」
と乗ってもらう。
あっという間に、ごぉんごぉん漕ぐ。
「いかん。
これも、参考にならん。
うますぎる。」
というわけで、降りてもらう。
そして、もう一度乗るS氏。
どうも、漕ぐときに膝を曲げるより、
腰をつきだすので、こげない。
「そうじゃない。それやと、こげん。
こうやって、ほら、
うんこするみたいに曲げるが。」
「ほら、ここで、うんこ~。
はい、うんこ~。」
と声をかけると、
笑いすぎてブランコから落ちた。
子どものすてき。