私は、年長の仕事ぶりを見ていて感動しながら、
ある一人を探していた。
休みやっけ?
気配がない。
気が付かんほど、なじんでいたらすごいけど、
たぶん、違うよな。
と思っていた。
職員室に、ひょっこり彼がやってきたので、
「ごくろうさま。さっきは。」と声をかける。
すると、「なんのこと?」という感じだったので、
「さっきの仕事。」というと、
「ぼく、やってない。」と言った。
私が、心底「やっぱり。」というと、気まずい顔をした。
「さっき、年長さんにありがとうって言ったがやけど、
言えんやん、君に。
残念やわぁ。」
というと、
「おもしろくなさそうやき、やらんかった。」と言った。
まぁ、そうやろうね。
彼の場合は、先生と二人ですることから始めんといかんかな。
人の役に立つことの、小さな喜びを重ねる。
これかな。
それで二日後、おばあちゃん先生と一緒に仕事をしたことを、
大変誇らしそうに報告に来た。
希望の道筋が見える。
子どものすてき。