いよいよ、原稿も渡し、練習を始めた放送係。
「覚えた人、言えた人どうぞ。」
と言って、私は椅子に座って待つ。
覚え方や覚えるペースは、一人ひとり見事に違う。
私を使って覚える子、絶対に完璧にならないと来ない子、
覚えたと安心して遊ぶ子など、色々いる。
共通点は、短期集中である。
そして、配って2日で、半分は暗記している。
すばらしい。
全体として、所定30分の半分以上、遊んでいるようにしか見えず、
ある時には、私一人、部屋に残されていたりする。
ほんなら、ピアノでも弾くか、
と立ち上がると全員戻ってきたりする。
こういう、バランス感覚が、私は好きである。
これから、話し方、音量、姿勢など、
本番への厳しさのギアは上がっていく。
500近くの人前に立つ勇気を、ふつふつと沸かしていかなければならない。
そんなわけで、今は、遊ぼうが、寝っ転がって暗記していようが、
よかろうとしよう。
みなぎる意欲が何よりの味方であり、
これは、過去の年長さんが積み重ねてきてくれた文化のおかげである。
型にはめるより、それぞれの学ぶ意欲の流れに沿い、
それぞれのペースを守りながら、
時に、待ち、時に気合を入れ、
本番を最高の状態で迎えること、
これが、幼児期の教育じゃないかな。
子どものすてき。