園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2021.10.10

さっきのその2 ・・・年長児

 

代わりに、6人ピラミッドの一番下の真ん中になったのはMくんだった。

彼は、かなりフニャフニャな人なのだが、

実は、すばらしい集中力、持続力の持ち主であることを、

トウモロコシの描画を通して知ったので、そこに期待をかけた。

Mくんに「君しかいない!」と、

ものすごいハッパをかけて頑張ってもらったが、

Tくんは、まだ、なかなかに辛そうだった。

むしろ、Sくんの方が、小柄だが、がっしりしている。

そこで、次の練習では、Sくんに下を頑張ってもらうことにした。

 

その練習の日、Tくんが「やらない」という。

「はぁ?3日前やぞ。

何を言うか、ぜったいやらないかん!」

と連れて行く。

だが、彼は、「嫌だ」と頑なに抵抗する。

「嫌じゃない!

一番下でもできるのか、2番目にいくのか、

ぜったいに、決めてもらうで。

今日しかない!」

「いや!やらん!」

「やらんじゃない!

ほんなら、お母さんと、お父さんに、組み立てやりませんと言いなさい!」

「・・・・。」

 

だまったな。

 

それで、もう一度同じやりとりを繰り返す。

どちらも、真剣勝負である。

 

「もうえいわ!」

と私が言ったと同時に、

「一回だけ。」

と言った。

 

よし。

とやってみる。

待ってるみんな、本当にありがとう。

 

すると、彼は今までよりも、

しっかりと、形を作っていた。

これまでは、友だちが乗っただけでつぶれます、

という感じだったのに、

なんか、神経を通して、すくっと姿勢を保っていた。

それで、成功した。

Sくんも、ばっちり安定感がある。

Sくんに、感謝の意を伝え、Tくんに、確認する。

「どうする。

1番下かね、それとも2番目?

2番目やな。2番目やったらできるな。」

というと、

「うん。」とうなづき、逃げる。

その姿を見ながら、目が合い、「よし。」とハッパをかけた。

 

次の練習の時、

フニャフニャのMくんが、フニャフニャを発揮して、崩れた。

そして、もう一人Nちゃんも崩れた。

そんななか、Tくんは、割かしすくっと姿勢を保っていた。

おそらく、気持ちが前向きになったので

友だちの体重を迎えうって耐えるという心構えで、

身体が使えるようになったのだろう。