園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2021.10.10

さっきのその3 ・・・年長児

 

そして、本番。

Tくんは、実に前向きであった。

一度は「できん」と逃げた体操係も、全身を使って、

彼にとっての最高のパフォーマンスをしてみせた。

そこには、彼の真剣な真心があった。

 

そして、組み立てのチョウチョの時、

彼は、自分の代わりに真ん中になってくれたMくんに、

「おれが、楽にしちゃおき。」

と、3回言った。

 

チョウチョで真ん中だったとき、自分が辛かった経験、

それをMくんが代わってくれたこと、

そのMくんだって、実は辛いのだとわかったこと、

だから、自分が頑張って、Mくんに体重をかけないように、

自分で自分を支える、

と彼は言ったのだった。

 

これを聞いて、私の心は感動に溢れた。

あ~やって、抵抗しながら、

いろんなことを感じていたんだな、と思った。

そして、3人ピラミッドのときには、

「ここ、しっかり。」と隣でMくんにハッパをかけていた。

そうして、Tくんは、技そのものの成功に向かって集中し、

Mくんも、しっかりとみんなを支え、

Nちゃんも頑張り、6人ピラミッドは、見事に成功した。

 

こうしてTくんは、今日この日、

自分の「できない」気持ちに、正面から向き合い、

まっすぐに、全てを乗り越えていったのだった。

 

運動会には、いろんなドラマがある。

ちなみに、今日、私の脳裏に焼き付いているのは、

リレーのMくんの姿だった。

彼は、決して足は速くない。

それに、フォームもそれほどいい訳ではない。

だが、「全力200%」の、

バトン受け取りダッシュを見せてくれた。

どんなに、フォームがイマイチでも、

私の頭に、かけがえのない瞬間として、強烈に残った。

 

それで、みんなにこの話をすると、

どの先生もそんなふうに思っていたらしく、

「そうそう!すごく足の回転が速かった。」と感動していた。

 

運動会って、いいよね。

 

子どものすてき。