園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2022.05.21

分けるの意味

 

泣いている子の気分転換に、並べて楽しむだけのオセロを持ってくる。

すると、思いのほか、他の子どもにもヒットする。

ただ、「しろ。」「くろ。」といって適当に置くだけ。

 

いつしか、片づけるケースを持っている子が、置く権利をもつ。

という流れになった。

先に置き終わったKくんが、Hちゃんが持っている分に手を出すと、

「だめ。」と怒って、渡さない。

 

「Hちゃんが、やるって。」

と言って、待ちの態勢を作る意味で、

「そういえばさぁ、お家にもあるんだって?オセロ。」

とよもやま話を始める。

その間、黙って置いていくHちゃん。

 

それから、また回収して、ただ置くを楽しむ。

最初にリズムよく置いていくKくん。

それを微調整するTくん。

そばで見ている年長のNちゃん。

Kくんが置き終わると、Hちゃんが、ゆっくり置き始める。

Kくんがやりたくなって手を出すと、

Hちゃんが、「やめて!」と怒って奪い返す。

 

そのうち、だんだん盤が埋まってくる。

空いているところを数えるKくん。

だんだん、数え方が適当になって、

どこを数えているのかもわからなくなり、

みんなの間で笑いが起こる。

 

そして、Hちゃんは、オセロの駒を置いていく。

みんなが、「しろ。」とか「くろ。」とか言う。

ひょんに、HちゃんがKくんに駒を渡す。

Kくんが「くれた。ねぇ、ぼくにくれた。」と嬉しそうに言う。

「よかったねー。」と答える。

それで、Kくんが置く。

Hちゃんも、置く。

そして、Hちゃんが、またKくんに渡す。

「また、くれたぁ。」と喜ぶKくん。

「よかったねー。」と応える。

すると、Hちゃんは、次々に、リズムよくKくんに渡し始める。

「おっ。」と受け取るKくん。

そしてとうとう、渡す人、置く人という役割分担の流れになり、

二人は協力して、駒を置く人になったのだった。

 

それは、笑いに満ちて、とても楽しそうだった。

 

思えば、Kくんが残りのスペースを数えて笑いが出たときが、

Hちゃんが渡すきっかけになったのかも、と思うし、

他の人がおしゃべりしている間、ただ、置いていくのもひまだな、

という思いが、ほんのりどこかにあったかもしれない、

と思う。

 

そういうわけで、至極自然な流れの中で、

分け合うとか、力を合わせるが生まれた、

ある雨の日の出来事である。

 

3歳児のすてき。