2歳児は、虫取り網を「持つこと」が好きである。
どことなく、行進に見える。
お兄さん、お姉さんに憧れて、
その気分を味わう、2歳のみなさんである。
ある日、虫取り網をもったYちゃんとKちゃんの目の前をトンボが通り、
Yちゃんが、
「きたきたきたきたきたきた!」
と大声を上げる。
そして、Kちゃんと一緒に必死でおいかけ、
網を振り回す。
ブーンと飛んできて、ブーンと去るトンボ。
でっかいのが、2匹。
また、来た。
「おるおるおるおるおるおるおる!」
その目は、めっちゃトンボにロックオンしている。
「あぁ、追視能力育つなぁ。やっぱ、虫取り一番やわ。」
と思いながら見る。
2歳児のYちゃんが、3歳のKちゃんに、
腰をぐいっとか、手をぐいっとか忘れたが、
アドバイスしている。
そのアドバイスを生かすKちゃん。
Yちゃんの決意って格好いいよなぁ。
夢中やな。
それで、なんだかんだあった末に、
付き合った私が、トンボを捕まえた!
と、めっちゃ後ずさりして顔が引きつるYちゃん。
へ?
こわいの?
そういうわけで、捕まえたいけど、
いざとなると触るのはめっちゃ怖いYちゃんだった。
園庭を歩きながら、お話しする。
「ダンゴムシはどうなん?」
「ん~、大丈夫。でも、アリはダメかな。」
「はぁ。」
「ちょうちょは、好き。ちょうちょ。」
「ふ~ん、ちょうちょは、好き。
トンボはだめなん?」
「うん。こわい。」
「固いんのが、だめなんかな。」
「うん、固いのがダメかも。」
と納得したように言っていたが、
その雰囲気は、実にいっちょ前である。
それで、Yちゃんのすごいところは、
自分が苦手なんだなと思うと、
それを乗り越えたいと挑戦する気持ちが湧きあがるところである。
いいなぁ。
数日後、彼女は断固として「トンボを捕まえたい!」
と宣言していたが、
いざ、シジミチョウを捕まえても、ビビっていた。
だが、一緒に見た虫眼鏡は、その後も離さなかった。
いいなぁ。
興味持つって、いろんなこと乗り越えていくよね。
虫に心を寄せる、Yちゃんのすてき。