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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2014年1月30日
特別な日・・・2歳児

 

10月31日。

「オシロイバナも、もう限界かな」と、東のお花畑の手入れを始める。

色水遊びに、種取りに大活躍のオシロイバナ、ほんとうにありがとう。

しかし、今年はよくはびこったね、と掘っていると、

な、なるほど。すごい球根ぶり。

出てきたときは、いも風で、形は人参で、洗った色は大根みたい。

こりゃ、強いわ。

 

私が持ってきたちょっと大人風のスコップに魅かれてきたKくん、2歳。

畑の土をすくい、「これ、どこにおく~?」と尋ねてくる。

「う~ん?」どこでもないので、返事ができない私。

「これ、どこにおく~?」

「う~ん?」

のやりとりがしばらく続く。

 

するとKくんが、畑の外へ「ここ~?」と出そうとする。

「ぬわ~、いかんいかん、そこやない。」

すると、別の外へ「ここ~?」と出そうとする。

「いかんいかん。」と私。

 

教育者モード皆無。ごめん、Kくん。

 

で、適当に、畑の中の別の場所を指して、「ここ。」というと、

納得したような笑顔で、「はい、」と土を移す。

あ、そういう気持ちなのね。お手伝いというか仲間というか・・・。

ありがとう。

 

誰かが来て、去って行って、Kくんはずっとここにいる。

その間に、少々誰かとスコップの取り合いをし、

さなぎが見つかって、みんなで大騒ぎし、

幼虫が見つかって、大騒ぎし、

次々に掘り出されるオシロイバナ芋が注目され、

球根磨きが流行ったりする。

 

Y先生が、「ホールで何かおもしろいことするみたいよ、」

とKくんを呼びにきた。

聞く耳持たないでござる。

 

なんか夢中だもんね。

そうでしょうね。

 

しばらくしてからの、もう一度のプッシュにも、

聞き耳持つわけないでござる風。

 

まぁ、2歳ですからね。

こんなのもいいんじゃないですかね。

ということで、さらに一緒にいる。

 

ちなみに、私は全然相手をしていない。

パイナップルセージをどんなふうに剪定しようかとか、

球根め、取れないじゃないか、とか、

何植えようかなぁ、とかそんなことを考えている。

 

ホールの遊びが終わって、「もう、ごはんだよ」とY先生が呼びに来た。

タイムリミットか。

「よし、Kくん、まみこ先生も終わるき。」

しかし、いやだと終わりたくないKくん。

「いかんいかん。ほんならまみこ先生、Kくんの給食もらうで。」

というと、「それならば終わろう」ということで終わった。

 

次の日の朝、登園してきたKくんに

「Kくん、昨日はありがとう。」と声をかける。

ありがとうという出来事はないのだが、しかし、一緒にいた特別な時間は心地よく、

ふとそんな言葉が出る。

すると、お母さんが、「とっても楽しかったみたいです。」

とご存じだった。

そうか。

印象に残る出来事だったんだね。

 

その日、いつもお弁当前に最後まで外で粘って、最終連れて行かれるKくんが、

その日は、これをここまでやったらね、と自分でおしまいをつけたそう。

ふーむ。

何かが、よかったに違いない。

 

で、Y先生はあのときのKくんを想い起し、

「とても無心だった」と・・・。

 

なるほど。

 

確かにそうだった。

そして、私が無心だった。

(まぁ、せんせいじゃなかった。)

 

「先生」という存在がKくんに向かってこず、

ただ、畑という空間を二人で共有したこと。

これが、きっとすごく特別なことだったに違いない。

 

めったにないことが引き起こす豊かさ。

今日は、Tくんを交えて3人でちょっとだけ電車ごっこしました。

笑い合う私たちには、確かな親近感が・・・。

 

価値を求めないところから生まれる豊かさ。

教育的観点からいえば、逆説的になってしまうけど、

 

ギュッと抱き留めておきたい、

子どもとのすてきです。

 

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