パイナップルセージは、サルビア科でお花の蜜が甘くておいしい。
それを、つい、夕暮れ時、先生と一緒になって子どもと味わう。
子どもとしては、すごい発見。
なので、はと組の一部の子たちに広がって、どんどんと花が散る。
「はと組の秘密にしちょきよ。お花は幼稚園みんなの分ないから。」
しかし、子ども夢中。
そして、次の日、もちろん自分たちの発見をクラスの友だちに知らせ、
また、花が散る。
そして、「ハゲ」パイナップルセージに。
そこで、私が言う。
「ほおら、子どもは、ほんまに節操がない。
見てみ~、これ。花が一コもないやん。」
でも、子ども夢中。
一度にがががと取って吸う子もいれば、
あまーい、おいしい!と感動の声をあげる子もいる。
私は、独り言のように、まったく、節操がないと何度かつぶやいて、まだ粘るMくんと二人。
すると、Mくんが、
「ほんなら、これ植えんかったらよかったやん。」
という。
「なに?
・・・、もう一回言うて。」
「これ、植えんかったらよかったやん。」
「よし、君が今いったことを、もう一回言うから、
よく聞きよりよ。
みんながいっぺんに蜜を吸うてしもうて、お花が一コもなくなってしまったら、
植えんかったらよかったんや。」
「うんそうよ、」と右あご上がりでうなづくMくん。
ふふ。
そして、片付けの時間になって、立ち上がる。
その去り際、
「二個、植えたらよかった。」
だって。
子どもは、ほんとにかわいいなぁ。
ハーブというのは、たくましくて、週末が明けると、もうお花が咲いていた。
そして、そのお花は、咲いたまま。
ハゲパイナップルセージには、なっていないご様子。
それから、この3か月間、パイナップルセージはマルハゲにはならず、
ちょいぎりぎりで、たたずんでいる。
やりすぎから生まれる、心の按配。
「ここまでにしちょこう」の伝播。
子どものすてき。