もうすぐ、コマ大会。
年長のはと組に入ったので、できない子にコマ特訓を試みる。
この日、できないという子は2人だった。
Yちゃんは、非常によく頑張った。
Mちゃんは、まったくやる気がなかった。
何度呼んでも、ひらりとちょうちょのようにかわし、
製作コーナーに座る。
「いやいや、私もそんな来れんからさぁ、ここに。
チャンスやん。」
というと、「そうで~。」と同調してくれる男子一人。
そこで「それもそうか」と納得して、取り組み始めるMちゃん。
ひもを巻くのはとても上手。
だが、「投げる」は、暴発。
「こりゃ、回らんわ。」
と一緒に投げてみることにする。
「ワン、ツー、スリー、で投げるで。
ワン、ツー、スリ―。」
「うん、うん。」とうなづいているが、
手首はちっともワン、ツー、スリーではなく、
私と彼女の力がシンクロしない。
そういうわけで、うまく投げれない。
タイミングがずれたり、コマがどこかへぶっ飛んでいく。
「だから、ワン、ツー、スリ―で気持ち合わせてよ~。」
「わかったわかった。」
「いくよ~!
ワン、ツー、スリ―!!」
「フォ~・・・。」
そしてその場に落ちるコマよ・・・。
「フォ~ってなに、フォ~って~。
だから、ワン、ツー、スリーやって~。」
というわけで、いつまでたっても私たちの気持ちも力も合わず、
次に持ち越したのであった。
彼女は、ちょうちょのように嬉しそうに、
製作コーナーに羽ばたいていった。
子どものすてき。