Sくんは、変顔が好きである。
そこで、
「にぃらめっこしましょっ、
わぁろぉたぁらだぁめよっ、
あっぷっぷっ。」
と歌い、二人で変顔をする。
そして、すかさず私は、
「あははははは。」
とわざとらしく笑う。
それで、Sくんは、嬉しそうに笑い、
二人で何度も繰り返す。
このやりとりを、学習してくれた人がいた。
Tちゃんである。
Tちゃんは、ある朝、私に、「変な顔のあれやろう」と言ってきた。
「ああ、あれね。」
と返し、「にぃらめっこしましょっ・・・。」と歌い、
変顔をする。
すると、
「あははははは。」
と笑う、Tちゃん。
Tちゃんは、
「あっぷっぷっ。」の後には、わざとらしい笑いを声を出す、
というふうに、「にらめっこしましょ」を学習したのであった。
そんな彼女を見て、笑ったら負けとは言えまいよ。
Tちゃんのわざとらしくもかわいい笑い声を何度も聞きながら、
これでよかったのだろうか、と一抹に思う、
園長ドウモトマミコであった。
子どものすてき。