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子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2023年10月30日
鳥の声  ・・・年少児

久しぶりに、年少さんの森の保育を担当した。

急なことであったので、気合いで押した一日だった気もする。

 

森の中心で、鳥の声が盛んに聞こえた。

そこで、鳥笛(サクラの木に、ネジを差し込んだもの)

を取り出し、キュッキュッと音を出す。

 

鳥が黙る。

 

警戒したかな。

 

何回か繰り返すと、声が返ってきているような気がしてきた。

写真家の篠木さんは、普通に口笛で会話していたなぁ。

 

近くに来たRくんにやってみせると、

やりたいという。

そこで、彼に渡してみる。

ネジを回し続けて、

「きゅ~、きゅ~、きゅ~、きゅ~、きゅ~、」

と音がでる。

 

すると、ピタッと鳥たちの声が止んだ。

 

静まりかえる森。

 

その昔、奈良の鹿が、せんべえが欲しいときには、

やたらとすり寄ってくるのに、

いざ、彼らのテリトリーに近づくと、

それこそ20メートルくらい離れているのに、

ピタッと動きを止めてこちらを見ていたことを思い出した。

鹿はまさしく2重人格であったが、

鳥は普通に警戒しただけだろう。

 

「あぁ、鳴らし続けたら、鳥が怖がって鳴かんなった。」

と私がいうと、Rくんが、半泣きになって、

「もうせん、もうせん、これ。」と言った。

「いやいや、また鳴くから大丈夫よ。

これくっらいの音なんて。」

というと、明らかにほっとしていた。

 

そこで、次の子たちは、適度に「きゅよっきゅよっ」

と、ネジをひねって鳴くようにした。

 

Rくんの困った顔を見て、

やさしい子だなぁ。

いいこだなぁ。

と思った。

 

子どものすてき。

 

 

 

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