朝のはと組。
ひょんなことから、ひっこし鬼をすることになった。
少し前に、大学生が授業で子どもたちに、
「3匹のこぶた」のイメージでひっこし鬼をしたことが心に残っていたのだろう。
「3匹のこぶたごっこがやりたい」という。
そこで、家の形を水線で描くことにした。
年中さんのHちゃんとRちゃんが、いそいそとやかんに水を入れてくる。
年長さんは、自分たちでドッジボールの枠を描くとき、
実にスムーズにやかんを傾けて動きながら線を引いていくが、
年中さんはまだ難しいようだ。
注意深く注ぐと、身体が止まるので下は水たまりになる。
動きながら注いで描くとなると、緊張するのか、ちょっとずつ!と思うのか、
フラフラの途切れがちな線になる。
そんなこんなで、ところどころ極太になったり、途切れたりして、
超疲れつつも、立派な家を描くことができた。
そこで、園長ドウモトマミコはいきなりオオカミを始める。
「あ、あんなところに藁の家があるぞ~。
中にいるのは子豚たちだな。よぉしっ、食べてやるぜ~。
ふ~、ふ~のふ~!」
と家を吹き飛ばすふりをする。
そこで、子どもたちは、実に喜んで次の家に逃げる。
そうして、木の家もまた吹き飛ばし、レンガの家までひっこす。
オオカミは、レンガの家は、ハンマーでぶっ壊し、
次は鉄骨の家になり、それは、ダイナマイトで爆破する。
そこで、次の家に逃げたわけだが、ネタが切れる。
「何にしよう。」
というと、Hちゃんが、「アイドルの家。」という。
「アイドルの家・・・。
あ、音楽が聞こえるぞ~。」
というと、
「踊る?」
とHちゃんとNちゃんが目を合わせ、踊り始める。
他の子どもも、なんかリズムに乗っている。
そこで、
「え~い、切ってやる~。」
と電源を抜くフリをすると、子どもたちは、「きゃーっ」と次の家にひっこす。
大体において、オオカミは、してやられている。
そこで、Rちゃんがオオカミの仲間になる。
「次、何の家にしよう。」というと、
「ドラえもんの家!」と子どもたち。
「ドラえもん!ドラえもんの家って、どうやって壊すよ。」
とオオカミが悩むと、
「おなら~。」とHちゃんが笑って言う。
「なに、おなら!
よし!
こんな家、おならで壊してやるぜ~。
ぷ~。」
とおしりを向ける。
それで、ドラえもんの家が壊れる。
次は、アンパンの家になる。
すると、オオカミなったRちゃんが「穴を掘って、木で燃やす。」という。
「よぉし!
そいじゃぁ、穴を掘って、木で燃やしてやるぜ~。」
といって、穴を掘るふりをしているうちに、
逃げられる。
Rちゃんの思いつきをいかしてくれよ、
と思ったが、なかなかそういうご協力は願えなかった。
そんなこんなで時間になってしまったが、子どもたちの思いつきは、
尽きることがなさそうだった。
ひっこし鬼のすてき。