若草幼稚園の新しい生活が始まった。
子どもも、未知なる環境で頑張っている。
別の園から進級してきたNちゃんが、ブランコに乗った。
自分で、数をかぞえ始める。
おっ、「数をかぞえて交代」を知っているな。
そこで、一緒に数えると、「10」でぱっと交代する。
そうかそうか。「10で交代」と習ってきたな。
ところが、若草幼稚園では、おまけがある。
10を数えたら、
「おまけのおまけの汽車ポッポ~♪
ポ~ッとなったら代わりましょっ、ポッポ~♪」
という歌が入る。
律儀に交代していたNちゃんだったが、
歌があると分かると、さっと座り直す。
そして、次の日には、歌を覚えていた。
おまけっていいよね。
さらに若草幼稚園では、10を数える前に、
「数えていいかい。」
という言葉が入る。
交代に向かう、あなたの気持ちはどう?
ということである。
そういうわけで、答えが無言。
ということもよくある。
そうすると、「もうちょっと待とうか。」ということになる。
ちなみに、乗ったとたんに「数えていいかい。」という子もいる。
「そんな!今乗ったばっかりやん、もうちょっと待っちゃってや。」という。
そんなこんなで、何べん「数えていいかい。」と尋ねても、
「いやだ」とか無言が続く場合は、
「もう、そろそろやない?」
「もう、交代よ。」と促す。
先日は、待っていた子が、「いやだ」という子の背中を押してあげて、
楽しい時間が生れたということもあった。
「10数えたら交代」というよくあるルールには、
これだけの余地が必要ではないだろうか?
ルールはルール、守るものだからと心を殺すのではなく、
心赴くままに、という熱量を大事にするユレ、余地というものが、
子どもの心を納得へと導くのではないだろうか?
十分楽しんだら、譲る気持ちは自然に生まれる。
それに、自分の乗りたい気持ちに固執していても、
待っている子どものプレッシャーは感じ続ける。
そうして、どこかで「交代」という落としどころに向かうものである。
ルールは緩やかに、互いの気持ちを感じながら学んでほしい。
子どものすてき。