Nちゃんは、まっすぐである。
したがって、ものすごい勢いで怒るのだが、
常にそれは全力である。
そういうわけで、やかましいがおもしろい。
そして、ほほえましいし、励まされる。
そんなNちゃんが、また大声で叫び、怒っている。
「Nくんが、あたった!
Nくんがあたった!」
とターザンロープの前で泣く。
近くには、ターザンロープを足にかけて困っているNくんがいる。
「Nちゃん、Nくんが当たって痛かったの?」
「うん。」
「Nちゃん、どこに立ってたの?
ここ?」
「うん。」
「ここにおったらいかんがな。そりゃ、当たるよ。
ちょっと、見ててね。」
とターザンロープを空で回して見せる。
確実に、Nちゃんのいるところを通っていくターザンロープ。
「ね、ここに居たら、当たるの。
だから、ここにおらんと。」
と少し離れた場所を指さす。
するとNちゃんは、泣き止んで黙ってうなづいた。
「だから、むしろあなたが謝らんといかんのよ。」
とつぶやく。
するとNちゃんが、即座に「ごめんね~。」
と大きな声で言っていた。
いい子だなぁ。
道理が分かるNちゃんのすてき。