森の日。
三角広場でお弁当を食べる。
途中で、食べる気を失っているHちゃん。
手が止まる。
「Hちゃん、お腹、いっぱい?」と尋ねると、
「全部食べる。」という。
「全部、食べる!」
だが、おかずは、ほぼ全部残ってるじゃないか。
全部食べるにしては、動かん過ぎではないかね、と思い、
「手伝う?」というと「ううん。」と首を振る。
「わかった。」と他の子のお手伝いをしていると、
「手伝って。」と言ってきた。
「いいよ。」と手伝う。
うーむ。
一口が小さいのう。
一口が小さく、飲み込まないと、次を入れないタイプである。
つまり、時間がかかるタイプ。
だが、彼女は、「全部食べる。」を繰り返す。
他の子どものお世話をしながら、彼女のお世話もし、
そして、声をかける。
彼女は、まったく動かない。
だが、時々、自分で食べないと進まない、ということが分かるのか、
口に入れるときもある。
そうして、とうとう最後になった。
だが、彼女は「全部食べる。」という。
この意志はぜったいに揺らがない。
そして、この意志は絶対に尊重しなければならない意志だった。
そういうわけで、私たちは急いで食べるという時間を共有し始めた。
「はい!」と次のを口に持って行くと、ニヤッと笑って、
口の中にまだ残っていることを示す。
「ははは。」と私も笑う。
そして、口がなくなると即座に「はい。」と入れる。
だが、増々時間が無くなってきた!
みんなの帰り支度がもう終わりそうだ。
彼女の食べるスピードが上がった。
私は、「よし!私がいろいろ片づけるから、とにかく食べて!」と言って、
私は、使わない食具を片付け、お茶を飲ませて水筒を片付け、
シートを片付けていく。
その間、Hちゃんはもぐもぐと頑張る。
そして、なんとそれまでは、「一口分」しか口に入れなかったのに、
倍の量を入れるようになったではないか!
私たちは、完璧な協力関係になった。
そして、あと二口になり、あと一口になり、
全部食べた!
私たちは、「わっほ~。」と喜んだ。
もちろん、三角広場には、私とHちゃんだけだった。
私たちは、非常に充実感を感じながら、笑顔で微笑みあい、
上機嫌で、カバンを背負い、バスに向かったのだった。
みんなのところに行くと、みんなが、「頑張ったね~。」と言ってくれた。
私たちのすてき。