我々の保育の敵は、動画とゲームである。
言い過ぎかしら?
だが、1秒間に30枚もの絵の刺激が入るこれらは、
子どもに不向きなものだと言える。
身体を動かさないで、大量の刺激が得られるわけだから、
中毒症状が出る可能性もあるし、
自分が自分の思いで身体を動かして、
その結果を得るという「体験」ができないわけである。
絵本をめくるのも、積み木を積むのも、はさみで紙を切るのも体験といいたいが、
動画は体験といいたくないし、ゲームは実体験と言いたくない。
幼児期に獲得すべき能力は、
思いのままに動く身体である。
そういうわけで、始業式、子どもたちにこう尋ねる。
「みなさん、動画とかゲームとかしてますか。
してますね。」
うんうん、とうなづく子どもたち。
まぁ、仕方あるまい。
夕方のお母さん、お父さんは忙しいだろう。
君たちが、少し黙ってくれるだけで、どれほど助かるか。
「じゃあ、お母さんとかお父さんがやめなさいって、言ったとき、
泣いたり、わめいたり、怒ったりしてる人、手~挙げて。」
「はぁい。」
と素直に手を挙げる子どもたち。
7,8人か?
正直だのう。
「やめなさい、もう!
いかんやか~。
今すぐ、まみこ先生がお家に電話するぞ~。
もう、一切見せんとってくださいって~、・・・云々かんぬん。」
そんな話をしながら、動画とかゲームをやっていることが前提の話をしてしまった自分を反省し、
「動画とかテレビとか見てない人。」
と聞くと、
「はぁい。」
と7,8人の手が挙がる。
「天才!すばらしい!おりこう!」
と叫ぶ、園長ドウモトマミコ。
そして最後に、
「ちょっと、自分は見てしまい過ぎだなぁって、
反省している人。」
と尋ねると、笑顔で「はぁい。」
と、5,6人が、手を挙げたのだった。
子どものすてき。