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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2024年10月10日
追いかけて ・・・年中児

日曜日は、運動会。

毎年、玉入れにはドラマがある。

 

今年の始まりは、日浦コーチから聞くところによると、

「玉を入れて何か?」ということだったらしい。

つまり、玉を入れることの必然が分からんということである。

 

玉を多く入れること、

それが勝ちを導くこと、

それが何なのと言われたら、

なんとも言えんね。

 

この感じ、今の時代的メンタルではないだろうか。

仕事頑張って何か?

勝って何か?

頑張って何か?

 

そんなわけで、「競う」ということの意味を、

改めて教育的に問い直す必要がある時代に入った我々である。

 

それで、「競う」ことの価値は、

全力を出すことであると確かめ合う。

 

その昔、と言ってもほんの去年のことだが、

俊足ツートップの二人が走ったときのことだった。

ゴールまで、全力で走る彼らは、間隣りで全力だった。

息を呑む戦いである。

そして、僅差で、本当にちょっとの差で、Sくんが勝った。

二人は、ゴールしてから自然と目が合い、

そして抱き合った。

 

これが、目指すところであろう。

全力を出すことで見える世界がある。

全力には、次があり、新しい世界はその先にある。

負けた自分を正しく受け入れられるのは、

全力を出したときだけである。

ぎりぎりの中で、物事は動く。

そんなわけで、「競う」は全力を引き出す最高の装置なのである。

 

子どもたちには、

「適当にやりよっちゃいかんぞ。

ドラゴンボールの悟空も毀滅の炭次郎も、アンパンマンも、

みんな、もうだめだ~ってところで、前よりも強くなる人たちだ」

と話をしてみる。

 

そんなこんなで、玉入れは盛り上がりを見せ始めた。

8個、12個、と泣かず飛ばずだったつき組が、

30個を安定的に入れ始める。

ところが、何故か、2個さ、3個さで常にほし組が勝つのである。

つき組が、過去最高を更新しつづけているのに、

ほし組が、僅差で勝っちゃう。

この運命のいたずらよ。

 

とうとう、Hちゃんが悔しくて号泣を始めた。

座り込んで、泣く。

その目の前に行き、

「あきらめるの?」と尋ねる。

すると、「うん。」とうなづくHちゃん。

「じゃあ、やめたら。」という。

「勝負は、まだある。終わってない。

これは、本番じゃない。」と強調する。

 

先生の励ましもあり、見事Hちゃんは立ち上がる。

そして、頑張る。

それで、負けちゃうが、彼女は立ち続け、投げ続けた。

 

こんなことが、全力の先に生まれることである。

自分の感情に向き合い、自分の感情の先を創っていく。

その手助けをすることが、教育じゃないか、

そんなふうに思ったことであった。

 

本番どうなるかな。

 

運動会のすてき。

 

 

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