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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2014年3月10日
復活どろだんご・・・年長児

 

 9月のある日。

どろだんごをぎゅーぎゅーと丸め続けてからサラ粉をかけた方が、

固いものができると発見し、

今日は雨だし、ということで年長のテラスで泥団子づくりをはじめる。

すると、自然にサラ粉をくれる人がいて、どろだんごを作りを始める人が増えて、

ちょっとしたにぎわいのなかで、楽しむ。

東京産黒土だんごを作り始める人もいて、こちらはあっという間に、光り始めている。

 

と、北海盆唄の曲が聞こえてきて、思わずばら組に行って、踊り始める。

一緒に踊っていたRちゃんが、私が片手にどろだんごを持っているのを見て、

 

「落とすで、踊りよったら。」と言う。

しかしながら、ワタクシ、「大丈夫よ~」なんてノリで踊り続けていると、

 

ぎゃー。おとしちまった!

真っ二つならぬ、4つ割れ。

まわりの子たちが、息をのんで、見てくれる。

 

「ほら~、言うたやんか~!

 持っちょったら、落とすでって~!]

 

と、Rちゃん。

そのとおり。

そのとおりです。

 

かなりの時間をかけていたので、心から残念に思う私。

でも、「作り直すき。」とかけらを集めて、水を入れて、

サラ粉を足して、練る。

 

すると、「わたし、サラ粉いっぱい作りよる。」とYちゃん。

なんて、やさしい。

 

その他、私が水とサラ粉の塩梅を図っていると、「もっといる?」

「どうするが?」となんだか、思いやりにあふれている雰囲気に、

子どもってなんてやさしいのかしらと感動する。

出来事を共有する中で、思いを共有する関係。

そこから自然に出てくる、相手を想う心。

 

ありがとう。

 

そうして、前よりも大きい泥団子ができはじめる。

うししし。

 

ところが、一人立って園庭を見ながら、考え事をしていて、

するりとまた落としてしまった!!

ぎゃー。

あほか、私は。

 

焦って、落ちた泥団子を拾い上げて見ると、ん?

割れてない。

へこんで、一部剥げて、ヒビが入っているだけ。

なんと!

これはすごい。

つまり、前より、固くなってるのよね。

 

思わず、運動会の練習のためにホールへ向かうさっきの仲間に、

「見て!まみこせんせい、また落としてしもうてよ、

 けんど、割れてない!割れてないで!」

と見せてまわる。

 

「ほー、」とか、「また~、」「なにしゆうが~、」

「けんどほんまや。」

と見る子どもたち。

 

そして、一人上に行って集中し始める私。

さっきの子どもたちに、

なんとしてもぴかりと美しい泥団子を見せたいと思う。

問題は、まんまるくなるかどうかだが、

へこんでいるところにサラ粉ドロを足して、

表面を水で撫でているうちに、出来始めた。

よし、成形完了。

後は、磨くだけ。

 

そうして、見るからに密度濃そう!という光るどろだんごができあがった。

 

彼らがホールから出てくるところを見計らって、

「見て!できた!なおった、ほら!」

「おぉ~、」という子どもの顔。うれしいな~、うひひ。

「触らせて~、」と集まる顔、顔、顔。

うれしいな~。

 

そんな中、この泥団子の経緯を心で知ってくれているYちゃんが、

「すごい、すごい、これ、まみこ先生がひとりでやったが?

 すごい。サラ粉は?まみこ先生がつくって?」と本当の意味で感動してくれる。

「ううん、Yちゃんの使わせてもらった。」

「すごい、すごい、」とYちゃん。

嬉しい。

 

実は、わたし、ずっとあなたの顔をイメージしてた。

とてもとてもナイーヴなYちゃん。

ときに、私をからかったり、ぞんざい風にするけど、

その心はとても繊細で傷つきやすい。

そんなあなたに、なんど壊れてもやり直せること、

そして前よりも、もっと美しくできることを見せたかった。

 

それにしても、なんか違う、ということが子どもたちにはすぐにわかるらしく、

運動会のスターター・ゴールテープ係の練習で集まった子どもたちが

私の所に来てまっさきに言ったことは、

「どろだんご見せて。」だった。

 

ふははは。

粘ってよかった。

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