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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2025年6月11日
呼び方と心持ち ・・・3歳児

彼女はいけないことをしたので、怒られることになった。

それは、なかなかにいけないことであった。

 

Y先生がHちゃんを連れてくる。

「もう、三回目。」

「何をしゆう!」と私の声が荒ぶる。

そして、抵抗むなしく、職員室に連れていかれる。

 

大泣きをするHちゃん。

ちなみにHちゃんの泣き方は「渾身」という言葉がぴったりで、

全園に響き渡るほどである。

 

だが、負けるか。

 

「まみこ先生は、全然困らん。」と相手にしない。

誰かが、入ってくると、懇願の視線を向けるHちゃん。

「いかんいかん、他の先生見ても、

誰も助けん。」といい、むしろ、

「ね~、聞いて、Hちゃん、○〇したのよ、

それも三回も!」

「あ~、それはだめだね、Hちゃん。」

「ほ~ら。」

また、大泣きする。

これを2回繰り返すと、今度は「ごめんね~。」と泣き出す。

「ごめんね、なの?

何がごめんね?

Hちゃん、何したの?」

 

だが、それには答えず、「ごめんね。」を連呼する。

「いかんいかん。ただ、早く終わってほしいだけやろ。」

と返す。

生きる力みなぎって泣く。

 

負けてたまるか。

 

登園の時間帯ですけれども、きっと響き渡っているでしょうけれども、

あなたのために、負けるわけにはいかん。

 

「ごめんね、はわかった。何をごめんねって言ってるの?

Hちゃん、何をした?」

「ごめんね~。」

「はい、だめです~。」

ちゃんと、お話しできんやったら、終わらん。」

 

そのうち、「お話しできる~。」と泣き出す。

「何、お話しできる?

ほんなら、泣くのやめなさい。」

 

すると、ピタッと泣き止む。

ほ~ら、その大泣きも意図的であるわけだ。

こちとら、何年保育者よ。

 

「Hちゃん、何した?」

だまる。

罪は、認めたくないらしい。

 

そこで、Hちゃんがやったことと同じことをしようとする。

すると、大変素早く「嫌だ」と後ずさる。

 

「何、そんなに嫌なん?

そんなに嫌なこと、お友達に3回もやったわけ?

まみこ先生もやってあげるよ、ほら。」

 

「うわーん!」

「そんなに嫌やったら、やったらいかんかったね。

「はい、Hちゃんは、何をしたの?」

 

だまる。

 

もしかしたら、言い方がわからんのかもしれんな、とも思い。

「〇〇は、やったらいかんね。」

と言うと、「うん」とうなづく。

「〇〇は、もうしませんって言って。」

 

というわけで、彼女は泣きながら罪を認めた。

「そいじゃ、謝りに行こうか。」と言って、

彼女をおんぶし、謝りに行った。

 

私は、次の日に興味があった。

どんな心持ちで、登園してくるかなと思った。

もちろん、私は変わらず笑顔で迎える。

 

最初、彼女は「まみこ先生」と言った。

いつもは、「まみこ~。」なのに、「まみこ先生」である。

一緒にお花のお世話をしながら、「まみこ先生」は4回ほど続いたので、

どう考えても意識的だった。

そこから、いつの間にか「まみこ」に変わった、

その次は、「くそばばあ」だった。

そして、最後は「じじい」だった。

 

Hちゃんのすてき。

 

 

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