Yくんが、何やら真剣に文字を書いている。
それは、アンパンマン列車の停車駅の名前だった。
「すご、全部覚えてるん?」
と言うと、「うん。」と笑顔を浮かべる。
二枚もあるので、「これ、黒板に貼ったら。」
と提案する。
「みんな、知りたいと思うで。」と言うが、
Yくんは、「嫌だ。」という。
「なんで?恥ずかしいの?」
と聞くと、「うん」とうなづく。
「えいやん、これすごいし。
貼ろうや、ここに~。」と言うが、
「恥ずかしい。」と嫌がる。
「そうか、残念。」と引き下がるドウモトマミコ。
昼食の時間になり、子どもたちが遊んでいたことについて、
話題に出す。
「Yくん、すごいがで。
アンパン列車の停車駅、全部知っててさ~。」
というと、隣の子が、「知っちゅう。」と言って、黒板を指す。
「へ?」と私が言うと、
Yくんが、「貼った。」と言う。
「貼った?」
「うん。」
貼ってます?と思いながら、黒板を見ると、
担任の先生が貼ってある何かの紙の裏から、
ちょこんと端だけ、顔をのぞかせていた。
私が、「ぬははははは。」と笑うと、
Yくんも「ぬははははは。」と笑い、
周りの子が、「うふふふふ。」と笑った。
子どものすてき。