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子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2025年10月10日
まじめな心 ・・・3歳児

Hちゃんが、半泣きの表情をしていることに気づき、

「どうした?」と聞くと、「うわ~ん!」と泣き始める。

「なになに!どうした!どうしたの、Hちゃん。」

こんなに泣くなんて、何があった!?

若草幼稚園、ザ・思いやりのあなたが泣くと、よけい心配。

以前、私が一人でトロ舟を洗っていると、

後ろからすっと私の肩に手を置いて、

「一人で、寂しいが?」なんて、声をかけてくれた人である。

 

泣きながら、説明をしてくれるHちゃん。

「うぇっ、うぇっ、でっ、うえっ、ひっく、うぇっ・・・。」

 

うーむ、分かりたいが、分からん。

した方のHちゃんが来て、「ごめんね~。」という。

ほほう。

何か、言ったな。

 

さらに、された方のHちゃんは、

「ひっく、ひっく、ら・・・、うぇっ、うぇつ、ひっく、も、

ろっ、ひっく。」

 

と泣きながら、必死で話そうとする。

分かりたいよ!という気持ちで、必死で聞き取ろうとするが、

分からん。

 

「うーん!分からん!

落ち着いてからにしよう。」と言って、

ちょうど、他の子を森へ行くために外へ促して、Nくんの世話をする。

Hちゃんも、そう思ったらしく、とりあえず泣く。

他の子は、部屋からいなくなったが、

した方のHちゃんは、ちゃんと逃げることなく、

泣いているHちゃんのそばにいる。

私は、彼女のこういうところが大好きだ。

口は悪いが、真心がある。

 

少しHちゃんが、落ち着く。

「もう大丈夫やろ。どうしたん?」

と尋ねると、すらすらと淀みなくしゃべるHちゃん。

自分でも、しゃべれんなぁ、と思っていたのだろう。

 

結局、Hちゃんが人のロッカーからはみだしている何かを見つけて、

勝手に開けて触っていたので、

「触っちゃだめ。」と注意をして、

それで、Hちゃんに捨て台詞を吐かれたというわけだった。

「ばばあ」とかなんとか言ったのだろう。

 

別の場面でも、Hちゃんに向かって「くそばはぁ」と言っていて、

「くそばばぁじゃない」と普通に返していたのを見ていたので、

なるほどね、と思った次第だった。

 

それで、こんなに泣くHちゃんを見て、

したHちゃんは、申し訳ないと思ったらしかった。

 

それにしても、分かりすぎる事件である。

Hちゃんは、非常に淑女なところがあるので、

人の物を勝手に触ろうとすることを静かにたしなめただろう。

そして、もう一人のHちゃんは、非常に目端が鋭く、好奇心が旺盛である。

だから、なんだろうと思って、確かめようとしたのだろう。

注意されて、むかっ腹を立てて悪口を投げるHちゃんに、

傷つくHちゃん。

 

二人の「らしさ」が引き起こした事件は、

結末も「らしさ」が光った。

 

そばで、Hちゃんの泣く様子を、

ずっと困ったように見ていたHちゃんに、

「Hちゃん、こんなに泣いているから、もう一回謝っとこうか。」

と言うと、

素直に、「ごめんね。」というHちゃんだった。

 

こうやって、一見合わない人とかかわりあって、心をうごかして、

互いの良さが引き立つようになるんじゃないかしら。

 

子どものすてき。

 

 

 

 

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