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子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2025年11月20日
どろだんごはレンジではできん ・・・3歳児

Rちゃんが、ものすごく美しい泥団子を作り、

見せにくる。

すごっ、と感動するドウモトマミコ。

「昨日、作った。」とRちゃん。

うん、知ってる知ってる。

すごい集中力だったね。

 

それをみたHちゃんが、「泥団子ほしい。」と言ってくる。

その「ほしい。」は、所有欲の「ほしい。」である。

「Hちゃん、どろだんごっていうのはね、

レンジに入れて、ボタン押して、チ~ン、ではできんわけよ。

Rちゃんみたいに、泥から作って、さら粉かけてさ、

作るわけよ。

まみこ先生、手伝うけどさ、自分でちゃんとやらんと、

手伝わんで。」

 

という。

すると、「分かった」とうなづく。

なぜ、こんなことを言うかというと、

この間、なんか、ほしいといってきたので作ってあげていたら、

焦るかのように、途中で何度も手を出してきたからである。

その所作は、所有してなんぼという感じであった。

 

「大きいのがいい。」というので、大きい泥団子をつくる。

「Hちゃん、これは、必ずHちゃんにあげるから、

自分で作ってみいや。」

と泥を調合する。

彼女は、それを手のひらにつかんで、

実に上手に手を返して玉をつくる。

 

「上手やん。ずごく上手よ。」と励ます。

それで彼女は、小さいけれど「彼女が作った泥団子」を作る。

私は、彼女が所望する大きな泥団子を作りながら、

彼女に泥団子の作り方を指南する。

 

前からそうだが、彼女はその言動とは裏腹に「緊張しい」だし、

真面目である。

途中であきらめず、泥団子を作る。

 

それは、十分に美しく、固い泥団子だった。

私は、約束の泥団子を渡し、彼女は両手に泥だんごを持つ。

その後、自分の泥団子を靴箱にしまった。

みんな、そうしてるね。

大きい泥団子を所有するという気持ちを満たしながら、

彼女は、「自分でできた」を他の子と同じように、

靴箱にしまった。

 

この「できた」を強化しておかんといかんと、

担任の先生に、ことさらに強調して、

この自作泥団子をほめまくった。

その意図をうけとって、ほめまくる担任の先生。

 

Hちゃんの笑顔は、恥ずかしそうながら、

とても嬉しそうだった。

 

物を所有することよりも、

自分の「できた」を所有する人になってほしい、

そんな気持ちで出会った泥団子だった。

 

子どものすてき。

 

 

 

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