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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2014年3月20日
卒園の季節

 

3月、卒園生たちは将来の夢を考え始めます。

私は、卒園生と将来の夢の話をするのが大好きで、

 

「え~!ケーキ屋さん。

 ほんなら、まみこ先生の60歳のお誕生日にケーキ作ってよ、

 ただで。」

 

とお願いしたところから、

去年は、まみこ先生の60歳の誕生日を企画する話し合いがテラスで行われた。

職員室横のテラスにテーブルを出して、ある子は私のパーティーのドレスをデザインしてくれて、ある子は、宝石をデザインしてくれた。

 

「いいねぇ。60歳って言ったらおばあちゃんだから、

 かわいいおはあちゃんになれるね。」

 

それから、レストランの食事を絵にかいてくれて、おいしいケーキをたくさんデザインしてくれた。

 

「パーティーどこでする?」とAちゃん。

「うーん、新阪急ホテル。」

「何時?」

「6時かな。何、ここにまみこ先生迎えに来てくれるの?」

「いや、準備でいそがしいかも。」

「じゃ、ホテルに部屋をとって、そこでドレスとか来て、

時間になったらレストランに行く?」と私。

「それがいい。

 ・・・、でも、忘れたら?待ち合わせ。

いかん、まみこ先生携帯もっちょって。」

「携帯!で、メールとかする?」

「ううん、メールせん。携帯で電話する。」

 

ここまで、話が具体的だと、なんだかすごく嬉しくなる。

そして、その日は、特別にお昼をホールで卒園生はと組4人と私だけで食べることになった。

私が、ホールに入ると、4人がさっと立ってくれて、

 

「60歳のお誕生日、おめでとうございます!」

と声をそろえていってくれた。ふふ。さっきまでの話で、すっかり気分を盛り上げてくれたんだね。

 

ありがとう。

やけんど、あと何年後やろう。

楽しみだなぁ。ほんとうにありがとう。

 

のどかに、夢を語って、想像する幸せ。

実際のところ、60歳のとき、どこで、何をしているのか、どうなっているのか、

誰にもわからないけれど、

子どもはいいな。

こんなふうに、愛情をそのまま分けてくれる。

柔らかなストレート。

 

保育者はほんとうに、幸せ者。

 

ちなみに、私は、あらゆる子どもに夢を聞いて、

それを是非、幼稚園にタダでよろしくと言ってまわり、

例えば、医者だったら、ただでお腹をみてくれとか、

大学の先生だったらタダで子どもに教えに来てくれとか、

庭師だったら、タダで、園庭よろしくとか、

 

で、T先生は「そのタダというのが、納得がいかん。ちゃんと払わんと・・・。」

とか言っていて・・・。やけんど、本気の私であった。

 

そして、今年。

ほんの先日、小学生になっているAちゃんが弟のお迎えに来た。

そして、ぽつりと、

「Kちゃんが60歳のこと、覚えちゅうろうかって言いよった。」

 

!!!

 

「覚えてます。覚えてます。」

「どこで、やるがやったっけ。」とAちゃん。

「新阪急ホテル。」

「え?」と真面目に「そうやったっけ」顔のAちゃん。

そして言うことに、

 

「自分で予約して。」

ぷっ。

 

「自分で予約して!全部自分でやって!」

 

Aちゃんは、こう言い放ち、お帰りになったのであった。

 

わはは。

 

けれど、私の心には、ぽっと桜が咲きました。

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