2歳さんから進級のEちゃん。
タイヤのところで、呆然と、立ちすくんでいます。
いつものように、階段を上らないことが、不思議でたまらない。
そして、これからは別のお部屋に行かなければならないことが、
なぜだかわからない。
そうよね。
そりゃそうだよね。
「Eちゃん。
Eちゃんは、一つおねえさんになったが。
これからはね、りすぐみさん。
まえのお友達もね、ここにいるよ。
ほら、Aくんも。」
とAくんがさっそく作ったちょうちょを持って、
Eちゃんの顔の前でパタパタパタパタ。
顔にあたってるがな。
「ね、Eちゃん。Aくん。相変わらずやろ。」
というと、かすかな笑みを浮かべます。
「よし、見に行こう。
ぞう組さんには、誰がいるのかな。
今は、どんなになってるかな。見に行こうね。」
と抱っこして、階段を上がって見に行きました。
「ね、ちがうでしょう。
他のお友だちが遊んでるね。
Eちゃんより、小さい子だね。
せんせいも、違うね。
Eちゃんは、大きくなったが。今日から、りすぐみさん。」
表情は見えないけれど、なんとなく、もう違うことが分かったよう。
「Eちゃん、りすぐみさん、行ってみようか。」
と向きを変えて、階段を下りはじめると、
ギュゥッと、私の首にまわしている手がしまりました。
そうね。
不安だよね。
一つ、違う世界へ、行くんだもんね。
そして・・・。
大丈夫よ。
という私の手が温かみを帯び、その心は愛おしいという気持ちで溢れました。
もうわかったEちゃんは、私と一緒にりすぐみに入りました。
Kせんせいは、ちゃんとEちゃんを待っていて、丁寧に声をかけました。
それから、始業式に行って、帰ってきて、
Kせんせいと、みんなで遊びました。
「Eちゃん、Eちゃんのせんせいは、Kせんせい。
これからは、Kせんせいだね。」
というと、うん、うん、と微かにうなづいたEちゃん。
一つ、お姉さんだね、Eちゃん。
おめでとう。
一緒に、楽しい毎日を過ごしていこうね。