Kくんは、Aちゃんが好き、
・・・だった。
「でも、そうじゃない、今は。」
「なんで?」
「顔に、ニキビができたから。」
ほぉ~っ。
そんなもんでしょうよ。
小学生の恋なんて。
そうでしょうそうでしょう。
恋なんてものは、自己愛。
自己完結の世界で舞う、自分だけのイメージ。
相手はいらない。
そういえば、東京の幼稚園で働いていたとき、
4歳の失恋に出会いました。
さめざめと、本当にさめざめと泣くHちゃん。
いつもは、溌剌としていて、いなせでかわいいHちゃん。
でも、その心が、悲しみでふるえている。
ふっと、その先を見ると、RくんとKちゃんが手をつないで歩いてた。
あ~、そうなのね。Hちゃん。
4歳でも、そんなふうに、泣けるのね。
お迎えに来て、「なんでこんなに・・・。」と問いかける目をしたお母さんと、
それを見つめ返した私との間で、なぜか、なんとなくそれがわかって、
二人で黙って、Hちゃんの涙を心にしまったのでした。
あれから、Hちゃんは、どんな恋をしたのかな。
もう、彼女も大学生。
恋から愛を創っていける時期は、もう少し先でしょうか。
美しいことだけでは、創って行かれないね。
泣いたり、笑ったり、怒ったり。
どうか、すてきな人に、巡り合いますように。