仕事柄、自分の子どもとほとんど会えない私が、
唯一彼らにしていることは、寝る前のお話。
頭が回るときは、創作話をし、
頭が回らない時は、昔話をする。
「ももたろう」もいい加減何回目だ、って頃、
「おかあさん、いちごたろうして。」と言われ、
それから、パイナップル太郎とか文旦太郎にドリアン太郎とか現れて、
結局最後の方は、ゴレンジャーとかゲキレンジャーみたいな、
ヒーローものにかわっていった。
その間、ももたろうはやさぐれキャラになり、
じゃがいもたろうは、ポテトチップスで大儲けした富豪になった。
お話が生まれ、展開する歴史を通ったような気持ちである。
私は、話した先からほとんど忘れていくのに、
息子たちは、驚くほど詳細に至るまで覚えている。
お話の大切さを思うとともに、
それを勉強でも発揮してくれればいいのにと切に思う。
いずれにしろ、「お話がいいんだよ、ぼくは。」
と下の息子が言い出した。
「絵があると、それになっちゃうから、
お話だと、いろいろイメージできるの。
今日は、ディズニーみたいにしようとか、
ドラゴンボールでいこうとか、ジョジョ風にしようとか、自由なの。」
「ほ~。なに、じゃぁ、お姫様のときは?
ドラゴンボールのブルマとかなわけ?」
「そう。
だから、いろんなのにできるからお話がいいの。
今日は、ドラゴンボールみたいに・・・、
いや、ディズニー風にする。
ディズニー風。
はい、お話しして。」
「じゃ、
三枚のお札。」(思いっきり、日本風。)
「ぶふっ。」
てなわけで、お話で本当に子どもはイメージの世界を旅しているんだと
改めて思ったのでした。