園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2014.06.30

物語 Ⅰ

 

入園面接のとき、彼はずっと相手をからかっていました。

しかし、その眼は少しも笑っておらず、

相手がどんな人間か見極めようと、光っていました。

 

入園してから、彼は、いつも感じている問いの答えを、

見つけようとしました。

「あなたなの?」

「僕の全てを受け入れてくれるのは、あなたなのか?」

 

これは、常に彼らがもっている欠落感ゆえの根本的な問いであり、

それは誰かと出会うたびに顔を出してきて、

試すという行動をもたらします。

けれど、いつものように「あなたかもしれない」という思いは、

裏切られます。

相手は、自分が必要とする分だけは、与えてくれないのです。

 

しかしそのときの先生は、毎日毎日、一つだけ、

彼と付き合ってくれました。

それで、彼は、それがとても上手になりました。

二人の共同作業で成り立つ出来事。

それは、一つ、彼の心に花を咲かせました。