園庭の小山に、今、時間をかけて少しずつ竜のひげを植えている。
物事というのは、静かに染みわたっていくもので、
植え始めて3か月、子どもが入れ代わり立ち代わり、
なにしゆうが?
と聞いてくるようになった。
そして、竜のひげという言葉も覚え
何かというと、竜のひげ、竜のひげといっている。
お手伝いしたい、という子も結構いる。
今日も、Rくんが、「まみこせんせい、竜のひげ植えんが?」と聞いてきた。
今日は、花畑にしようかなと思っていたけれど、
昨日もそういって来てくれて、用事でできなかったから、
今日はRくんと一緒に植えようかなと思う。
「じゃ、植えようか。」ということで、一緒に小山に行く。
S君も来た。
手慣れたもので、竜のひげをカップから出してくれる。
案の定、「とりあえず二つ」と言っても、7つほど目の前に並ぶ。
赤土に腐葉土を混ぜていることも知っていて、
「黒土お願い」というと、さっと持ってきてくれる。
頼もしい、合い方である。
その間に、「なにしゆうが?」と言う顔がそこここで現れては消える。
すでに植えてあるものに、水をやらなきゃとお願いすると、
「わかった。」といって、さっと如雨露を取りに行ってくれるRくん。
ふと、見ると、両手に如雨露を持って二刀流で水をあげている。
「すばらしい。君は天才や。」とほめる私。
と、朝、お家で紙コップの製作に失敗して、泣いてお父さんと来たM君が来た。
紙コップに絵を描いたら、持っておいでと言ってあったのだ。
いったん、職員室に行って、Mくんと一緒にその紙コップを本で書いてあった通りに切る。
それを、RくんとSくんが横で見ている。
できた。
ふー、と、私とMくんが笑顔になる。
と、Rくんがこういった。
「さ、仕事するで。」
ふふ。
いいね、こういうの。
ありがとう。いつも。